愛の天秤は180゚

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「お前のその姿を見ていいのは俺だけだ。他の奴に等、見せないでくれ」



“お願いだ”なんて優しく耳元で頼まれれば断ることなんて出来なくて、


『こんな姿斎藤さんだけにしか二度と見せられません』


自分から言った事なのに後から恥ずかしさが追ってきて顔に熱が集まる。



「千鶴、あんたの事を愛してる」


斎藤先輩は瑠璃色の髪を揺らし微笑むと私の身体に点々と落ちた紅を指でなぞり、お臍に軽く唇を押し付け上目使いに見上げてくる。



「...これから先をしていいのだろうか」


本当は場所が場所で、最後までするつもりはなかったが俺は理性を保つ事など到底出来なかった。


けれど、我が儘な俺の問いに迷うことなく千鶴が小さく首を動かしたのに感謝しつつ、腰辺りを緩やかに撫で脚に手を滑らせる。


触れるだけでピクリと跳ねる白く華奢な体。


外側を撫でる手を内側に近づければ、閉じようとする股の間に自分の片足を割り入れ阻止する。



「優しくする...だが怖いのなら途中でも止めてやるから...その時は言ってくれ」


先程まで強引にしておいて今更、千鶴が有無を言えない儚げな笑みを浮かべる俺は最低なのだと自分でも思う。



『怖いなんて...いいません。さっ、最後までしてください』


私だって斎藤先輩が好きなのにそれに断る理由もない。


大胆に口走って顔を反らせばクスリと笑われた気がする。


「では、止めてやらないからな」


妖艶な宣戦布告に私は小さく...はいと消え入るような声を漏らした。



***



「もう少し我慢出来るか」


『んっ、ッ...は、ぃ』


初めての異物感を受け入れる其所は狭く斎藤先輩の指を痛いほど締め付ける。


私を気遣い指を優しく差し抜きしながら汗ばむ額に口付け片方の手が宥める様にカールがかった髪を鋤く。


段々と反応を示す千鶴に彼の指が増え良いところを探るまでに中の締め付けは緩くなる。


『ひゃっ、な...、ンかッ...変ッ、や...らぁッ!』


彼女の中が異常なまでにひくつき締め付けてきた。

嗚呼、イキそうなのだな。


俺は甘く唇を震わせ恥ずかしさに顔を歪め抗議を上げる千鶴に唇を寄せる。


「一度、イカせてやる」

囁けば、弾かれるように揺れる耳にリップノイズを響かせ中に埋まる指で先程反応を示した其所を強く擦れば、ビクンとしなる括れ。


首を仰け反らせ逃れようとする唇に強く吸い付き、舌を差し入れる。



出る筈の歓喜を口内を埋め尽くす斎藤先輩の舌が許さないとばかりに塞ぐ。


くぐもった声で小さく叫びを上げれば銀の糸を引き離れる互いの唇。


ぼーと、余韻に浸る千鶴の頬を冷たい指先がなぞる。


カチャリ、と金属音が鳴り斎藤先輩がベルトを外す音がやけに耳に響いて此れから起きることを予想させる。


余り見ないでくれ、と言われ出されたのは見た事のないくらい脈打ち反り立つ男の人のソレだった。


一気に不安を込み上げる瞳に彼は、


「一気に入れたりはしない」


と、目に弧を描き安心させるように苦笑の色を浮かべ唇を緩める。



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