want me
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甘い...が俺は嫌いではないのかもしれない。
「ほら、ちゃんと舌使って...よっ」
俺の後頭部を固定する総司の手がもっと奥へと誘導するように引き寄せられる。
「んぐっ...ふ」
いつもより質量の増した彼の其れ。
斎藤は喉の奥に触れた熱い先に瞳を潤ませそれでも負けじと舌を使いなぞる様に上下に摩る。
「っ上手に、出来るじゃない...けど君ならもっ、と出来るよね?っ...一くん」
瑠璃色の髪の毛を誉めるように優しく撫で付けながら欲で朱に染まった顔が俺を見下ろした。
挑発的な物言いに斎藤の手はおもむろに付け根の膨らみに添えられる。
手で転がすように強弱を付け触れれば口内に暖かいものが放たれた。
「くっ、ん!!...ごほっ」
当然放たれた欲の勢いと鼻孔に届く特有の香りに驚き咳こみ白色の液体がカーペットに染みを作る。
「ダメじゃないちゃんと飲んでくれなきゃ」
顎を持ち上げ汚れた俺の口元を見るなり悪戯っ子みたく総司が微笑む。
咎める様な言い方とは裏腹に意味深な笑みが浮かんでいる。
「お仕置きだよね」
少し間が空き細められた瞳が笑う。
戸惑う俺を差し置き無理矢理にソファーにうつ伏せで尻を突き上げるような体制にされ、下半身を隠していた服も呆気なく剥ぎ取られていた。
力で対抗しようとしても耳元で"僕の事嫌いなの"等と聴かれ頷く事も出来ず俺は何時もの事だと状況を呑み込んだ。
だいたいこいつはこう言うときは口が強くなる...。
「一くんさ今なに考えてる?僕以外の事考えてた?」
いつの間にか耳元に吹き込まれた息に、俺の尻を撫でている総司が剥れていることに気付く。
「いや、あんたの事以外など考えるわけないだろう」
「っ、本当に君って...煽るのが得意だよね」
耳元から気配を消した総司は山なりに手をかけるとその窪みをなぞるりゆっくりと骨ばった指が侵入し隙間を埋めていく。
「ふっ...く、ァァ」
体制も体制で俺はどうにかやり過ごそうとクッションに顔を押し付け端を手で握りしめる。
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