want me

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奥まで入ったそれに腰の力も限界なのか崩れかけた斎藤を沖田がそのまま抱き支えた。




ソファーはぎしりと二人の重みで鈍く音を刻む。




紅く染まる耳朶を濡れた唇が擦る。





「まだ、イっちゃだめだよ一くん」




官能的なその掠れた声に喉がこくりと音をたてた。




うなじに触れるだけのキスをしながら沖田は腰をゆるゆると動かし中を慣らすようにかき混ぜる。



「くっ、もう少し頑張れるかなッ、一くん」




イイところを突かれ酷く締め付け収縮を繰り返すそこは一くんの限界を告げるものだった。




だけどまだイカセタクナイ...




僕は一くんの大きくそそり立ち先端から蜜を吐く其の付け根を掴み欲を押さえ込む。




苦しそうに息を吐き睨み付ける潤んだ瞳に少し胸を苛まれながら沖田は斎藤の耳に甘美に口付けた。




「もう少し...もう、っ少し我慢して...一」




諭すように名前を吹き込むと一瞬力が抜けたのか先程まで締め付けていた圧迫感が緩む。




と、同時に総司は俺の腰を引き寄せてきた。





「くぅ..あああっァァァぁぁー」




質量を一気に増し脳天まで貫かれたようにあられもない歓喜が上がる。




それから俺はもう何回目かの絶頂か分からない程に快楽に飲まれ溺れていった。





いつの間にか総司の手は離れていてソファーの至るところに愛液が飛び散っている。





快楽の波は、幾度の絶頂を超えても収まる気配がない。




俺が意識を飛ばす寸前まで覚えていたのは艶を帯びた荒い吐息と内股を伝う暖かい感触。






それと最後の最後まで俺に向けられた愛の言葉だった。





「一くん、君が好きだよ...愛してる」




“だから...君も僕のことを愛して”





僕が言った言葉はきっと意識を飛ばした後の一くんには届かない。




だけど今日はクリスマスだから...この思いが君に届きますようにってお願いしてみたんだ。





きっと伝わってる、けどそれだけじゃ足りないんだ。




「僕は...君の愛が欲しいよ一くん」





規則正しく寝息を立てる斎藤の背中にぴったりと寄り添い愛おしむように唇を落とした。





“あんたは、馬鹿だな。俺はこんなにもお前の事を好いているというのに”――...





土方先生の名前を出してはお前が嫉妬してくれるのが少し嬉しかったりする。今日のもそうだ。きっと俺は測っていたんだろう。




“俺の方が総司に...”





「...でも、僕の愛を超えたらダメだからね」





“...一くん”




二人の想いは絡み寄り添い寝息を立てるさまのように深く…――




混濁し落ちていく眠りの中二人は脳裏に愛する人を想う。





微かに漏れる月明かりは微笑ましい二人を暖かく見守るように照らし出していた。




end



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