アポロンとアルテミス


俺さ、昔っから気が強くてさ、

ちょっとの事ですぐケンカになって、よくケガしたりした。

俺ってこんな身体だろ?やっぱりいくら気が強くたってそこはもうどうしようもない訳。

心無い事言われてさ。殴られてさ。


そんな時さ、悔しくて悔しくてたまんない時、

お前が真っ青になって、いや、真っ青かどうかはわかんなかったけど、慌ててばんそこう持ってきて、よく手当てしてくれたよな。

どうして無茶ばっかすんだって、いつもは怒らないお前が必死になって俺を叱ってさ。


俺、叱られてる側だったけどさ、すっごい嬉しかったんだぜ。

ああ、俺にはこうやって叱ってくれるヒトがそばにいんだって、しみじみ感じてさ。

そんで俺をボコボコにしたヤツらに向かって、どや顔してやんだ。
お前らなんかより俺はずーーっと幸せもんなんだぜ、ざまーみろ! ってな。


えーと、だから、さ。

何が言いたいかって言うとさ。


「これからも一緒にいて、俺を叱ってくれって事」

「えーと、まとめるとな?」


「だいすきだぜって、事だ!」


本当は何にも言わなくったって、お前は分かってくれんだろ?

なあ、実弓。



______________

うまく言えない照れアポロン



<<||>>