デメテルとアテナ

初めは気にくわない後輩だと思っていた


何しろ俺はフィールドで暴れるのがすきで、その時はまだメンバーの事は顔くらいしか分からなかったし、何かと理屈をつけて俺に意見する態度に腹を立てていた

だがよくよく考えてみればそれは全て俺がより活躍できるよう計算された意見であって、その通りにしていれば俺のシュートチャンスは大幅に上がるものだった

それに気付いた時、俺は驚き、同時に軽い尊敬と畏怖を覚えていた


アテナは気難しい


先輩には礼儀正しいが、筋はきちんと通っているのではっきり意見をするし、プラスになる情報は柔軟に貪欲に取り入れてゆく

いつしか俺はあいつの動きばかりを目で追っていて、動く度に揺れる髪や地を蹴って走るその姿にモヤモヤとした不思議な気持ちが生まれていた


それに気付いたのはヘルメスに茶化された時だ

その時は当然奴にぶちぎれて一発お見舞いしてやろうと追い回していたが、深く考えてみれば確かにその通りだと思った

このモヤモヤとした感情がなんなのかはさっぱり分からないが、


最近あいつが他のメンバーと話をしているのを目撃する度に胸が苦しくなっていた

そしてあいつの目線の先にはいつもアルテミスが映っていて、

それが判明する度苦しくなり、アルテミスに対する良くない感情が芽生え、困惑し混乱する


分からないから、困惑は苦痛へと変わりーー


「デメテル先輩、フォーメーションについてちょっと聞きたい事が、」

「ああ、今行く」


ーー苦痛は根拠のない焦燥へと変わった



大地よ、願わくば

願わくば俺に、この感情の名を教えてくれ





(それは淡い恋と薄汚い嫉妬)




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ずっと書きたかったデメテル→アテナ→アルテミス

アテナは気難しいって言ってるけどデメテルも相当気難しいと思う



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