世宇子

今日は非常に天気がよく、太陽は燦々と私たちを照らしている

アポロンやデメテルにとっては今日という日はなんとも晴々しい日だろうが、如何せん私たちからしてみればそれはある意味地獄であった


「何か冷えそうな事!!」

ヘパイス先輩が絞り出すように声を上げた

狭いとも広いとも言えない部室の中で最も太陽の祝福を得ている場所(つまりものすごく暑い)で胡座をかいていたヘラ先輩が俯いていた首をゆっくりともたげてヘパイス先輩をじと目で睨みつけた


「……具体的に」

「思いつかないからみんなに答えを求めているんじゃないか」

「貴様…考えようとしないとは、脳まで溶けたか」

「きちんと考えたって!ヘラの意地悪!」

「喧嘩をするな暑苦しい」


ポセイドン先輩ははあ、とため息をつくと皆を見回して腕を組んだ

「だが、確かに涼しくなりたい気持ちは分かるな」

「海にでも行くか…」

アレスも同じように腕を組んで一つ案を出す

それは良いなとポセイドン先輩は疲れ顔の中に笑顔をみせたが、ヘパイス先輩に砂浜が熱いと却下されてしまった

デメテルが情けないと言ったような目をして先輩をみていたが、本音を言うと私も熱いのは嫌だった


「…水と言う点は、良いと思うんですけどね」

「じゃあプール行きましょうよー!帰りにアイス買って!」

ディオの意見にアテナはふむと考え込んだが、答えを出す前に私の隣に座っていたアポロンの言葉に遮られてしまった

「水族館に行きたい!」


「相変わらずガキだなーアポロンは」

「うるせーな!ヘルメスだって水族館行きたかったくせに!」

「俺サマはイルカショーがみたいって言っただけだぜ」

「十分子供じゃねーか!」


ガヤガヤとし始めた部室内で、水族館に行こうかと言う動きが出てき始めていた


「アルテミスはどうだい?水族館」

アフロディから急にそう問われ、私はなんとも間抜けな声を出してしまった

皆が私に注目してしまってすごく恥ずかしい


「あ…アポロンの意見に賛成です…」

小さな声でそう呟くと、アフロディはじゃあ満場一致で水族館に決定だね、と微笑んだ

アポロンはすごく嬉しそうな顔をして私をみている

良かった、アポロンの意見が通って

嬉しそうな顔がみれて


「…じゃあ、僕は練習を中止する事をボードに書いてくるよ」

「みんなは用意して待っていて」



暑さから逃れるように意気揚々と出かけて、2時間チケット売り場で待機していたのはまた別のお話




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水族館行けなくて悔しかったから世宇子のみんなに頑張ってもらった


何故か実弓視点



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