アポロンとアルテミス

実弓はとてもきれいだ

例えばその滑らかな肌だとか、浅葱色に輝くその髪だとか、

仮面の中で潜めていた睫毛の長い瞳だとか

実弓は傷の事でひどく身体を強ばらせたが、俺は実弓のすべてがだいすきだった


「実弓、きれい」

「あ、アポロン……そんな、私…」

間近で見つめ合う事に恥じらいがあるのか、それとも俺が実弓に乗りかかったこの体制に恥じらいがあるのか

真相は本人にしか分からないが、とりあえず実弓の顔は赤いバラみたいに真っ赤だった


俺は取り上げていた仮面を地面に置いて、両手で実弓の肩を地に押さえつけた

実弓はびっくりしたみたいで少し身体がふるえてたけど、俺がいつもみたいに笑いかけたらちょっとだけふるえが収まったみたいだ


「実弓、キスしよう」

「アポロ……っん」


答えは聞かずに実弓の柔らかい唇に自分の唇をおしつける

そうして吸い取るように角度を変えてキスすれば実弓は観念して隙間を開けてくれる

舌と舌を絡めて、息が苦しくなるまでずっと続けたら、最後にほっぺにキスして起き上がった


実弓はさっきより真っ赤になって俺から視線をそらした


「やっぱ、実弓はきれいだ」

「きれいで、とってもかわいい」


実弓は恥ずかしくて瞳に涙を溜めてたから返事してくれなかったけど、俺はすごく満足な気分だった

ヒトと触れ合うのが苦手な実弓が、俺に心を許してくれてるんだって確認できるから

こんな事出来るのは俺だけだって、証明してくれてるみたいで、


「実弓」

「ずっと一緒にいようぜ」


実弓の答えは聞かない

だって、実弓は俺の事がすきなんだから


「だいすきだぜ、実弓」




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実弓の気持ちを知ってるからわざと強引に迫る光くん的な



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