※不動さんが源田くんにゴロゴロしてるだけ。短いです。


すりすりさわさわぎゅっぎゅっ

「ふ、不動?」
「ん―?」
なんとも形の無い返事を返す不動だが、しっかりと源田の背中から腹に回した腕の力はそのままにスリスリと背中に頬を押し付ける。
それがくすぐったくて源田はビクリと小さく身震いした。背後で空気が揺れるのが分かる、どうやら不動が笑ったようだ。クスクスとひとしきり笑うと一息付いてまた腕に力を込める。
ぴったりと合わせられた場所は暖かいのに不動の手が冷たいことに源田は気がついた。腹部に回る手を取って自分の手のひらで覆ってやり、しばらくそうしてやると不動の手も段々暖かくなってきた。「ハッ、あったけぇ。子供みたい」
恐らく子供体温の事を言いたいのだろう。が、今のこの状況を見れば誰もが間違いなく人の背中に張り付いてうれしそうにしている不動の方が子供だと言うだろう、そう源田は思った。
「このまま寝ちまおうかな―」
グググと徐々に不動の体重が源田の背中にかかってくる。
重い、と言おうか迷ったがその姿がまるで母親に甘える子供のようだったからもう少し好きなようにさせておくことにした。




おわり110523


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