ちびっこ洗う




「おふりょきりゃーい!」

「ま、待つアルあゆみ!」



だだだっと風呂場から、俺がいる居間まであゆみが来た。神楽に風呂を任せたが、あゆみは風呂が嫌いなのかすっぽんぽんで飛び出した様だ。

そうそう。
あゆみつーのは、さっきの泥だらけの少女の事ね。歳は7歳ぐらいらしいんだが、4・5歳並の言葉使いと動き方。あゆみの両親が虐待の様なものをしたんだろうな。

そんな訳で、あゆみは万事屋に保護されたんだけど…



「って、こらー!ちゃんと服を着なさーい!!」

「銀ちゃん任せたアル!」

「よし分かっ…じゃねェーよ!たくっ、あーもうタオル寄越せっ。」

「ぎ、銀さん!そっち行きましたっ!!」



ばふっ



俺の所に突っ込んできたあゆみを、ふかふかタオルで包み込む。たくっ、こんな格好でいたら風邪ひくだろ。



「んぅー、ぎんたんいちゃーぃ。」



ぎんたん……
あゆみが舌足らずだから、ちゃんがたんになる。あゆみにそう呼ばれると、何かキュンってする。キュンって。大事な事だから二回言ったんだからね!



「こ、こうしないと風邪ひくだろぉ。」

「そうだよ、あゆみちゃん。はい、これ神楽ちゃん。」



新八が神楽に渡したのは、あゆみの着替え。今日だけは、神楽のチャイナ服の上を借りた。



「あゆみ、私の服着るヨロシ。」



神楽があゆみにチャイナ服を見せる。すると今までにないくらい、目を輝かせて言った。



「わぁー、かあーいーね!」



(((……キュン。)))



ぶかぶかチャイナ服を来たあゆみは、へへっと笑いながらくるくると回り俺たちに見せていた。

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