ちびっこ再会する




「あゆみ。」



小さい声で俺は、あゆみの名前を呼んだ。
すると、あゆみは顔を歪めうるうると両目から涙を零しはじめた。ぼろぼろと嗚咽をしながら泣くあゆみ。

そっとあゆみの近くに行き、あゆみの目線の高さになるようにしゃがむ。嗚呼、こんなに泣いてる。そんなに泣いたら、目が赤くなっちまうぞ。



「ぎん、たぁん。」

「あゆみ、一人にしてごめんな。」



ぎゅっと、あゆみの小さな体をそっと抱きしめる。壊れないくらいの、俺なりの優しい力で。あゆみを抱きしめると俺の胸の中で、さっきよりもわんわんと泣いていた。声が掠れながらも、俺の名前を何度も一生懸命呼ぶ。

あゆみ…
本当にごめんな。



――…しかし、人の感動の最中に嫌な奴らが声をかけてきた。
んだよ、邪魔すんじゃねェーよ。



「万事屋ァ。あゆみを離さねェと誘拐未遂で逮捕すっぞ。」

「旦那ァ。あゆみを返して下せェ。」



手錠片手にぶんぶん回している大串くんと、いつもは大串くんに向けられているバズーカーを持つ総一郎くんがいた。ジミーは既にやられていた。あゆみがバズーカーの巻き添えにならない様に、慌てて叫ぶ。



「待った待った!あゆみは元々俺が預かってたんだって!!」

「嗚呼?んな嘘誰が信用するかってーの。」



屯所までご同行願いまーすっと、総一郎君くんに凄く棒読みで言われあゆみを連れて行く事になってしまった。あゆみは俺と離れたくないのか抱っこしていたら、部屋に着くまで離れろとか離せとか両脇から五月蝿かった。



「おい。」

「あ?」



部屋に着き、さて話をしようじゃないかという感じなのに大串くんは何か気に入らないのか突っかかってくる。どうせあゆみの事だとは分かる。だってさっきっから、いつも瞳孔開いている目が更に瞳孔開いて見てるんだもん。そりゃー分かるって。
しかし、俺は今の状況を密かに楽しんでいたりする。

今、胡坐をしている俺の所にあゆみがそこに座っている状態だ。そこで俺は、大串くんたちに分かる様に“ 俺はあゆみと離れていまーす。勝手にあゆみが座っているんですぅ。 ”という意味で両手を上にあげていた。
もちろん、顔は馬鹿にした様な顔にしている。その間、あゆみは俺にべったり。この上ない幸せだ。





嗚呼、早く新八と神楽、定春に会わせてやんなきゃなぁ。

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