ちびっこ遊ぶ




「さがるたん、あーしょーぼー!」



あゆみちゃんが屯所に来てから、俺とあゆみちゃんはよく遊んだ。あゆみちゃんが一人ぽつんと寂しく縁側で座っていたのを、バトミントンで誘ったのがきっかけだった。これは珍しく、副長に認められた事だった。最初副長に見つかった時は、「嗚呼やっちまった。」とすぐに悟ったもんだった。しかし副長は、なかなかあゆみちゃんと遊んでやられないので代わりに遊んでやれという命令が出たのだ。
たまに、沖田隊長が乱入してきて俺をバズーカーで吹き飛ばす。その音に副長が来て、沖田隊長を回収しに来るという新たな日課が出来たのだ。まぁ、その理由はあゆみちゃんをかまいたいという下心があるせいなんだけれども。あの人たちは、変なところで正直だから困ったものだと思う。

…しかしまぁ、



「ん〜っ、えぃ!」


ぱこん



可愛いなぁ〜。
シャトルを落とさない様に、必死にバトミントンのラケットを振っている。その姿は、本当に可愛いかった。届かない時は、ぴょこぴょこと飛んでいる。
あー、何この生き物。
可愛いよ。超可愛いよ、もう!



「そーれっ!」

「あっ!」



勢いが良すぎたのか、俺が打ったシャトルがあゆみちゃんの頭を通り越し、屯所の塀も通り越してしまった。あゆみちゃんを見ると、塀を見ながら鼻声で言う。



「さがるたん、とりぇなかった…。」

「あゆみちゃんは、悪くないからね!俺シャトル取ってくるから、待ってて!!」

「ぅん。」



シャトルを取れなかった事に罪悪感を抱く子。
こりゃー、局長たちがメロメロなのも良く分かる。



「さがるたん、はやくかえってきてね。」



もちろん、早く帰ってきますよ。

- 13 -