ちびっこ迷子




「ぎんたん……。」



仕事に行ってしまった銀時たちを後から追いかけてきたあゆみだが、どこを探しても見つからなかった。

銀時がいなくなった事により、銀時に見つけられる前に持っていた寂しさが蘇る。


とぼとぼと重い足取りで万事屋に戻ろうとしたが、ここが何処だか分からない。
それは、銀時が絶対外に出させなかったせいでもある。理由は簡単。公園に向かわせないためだ。公園にはあゆみの辛い思い出だけが色濃く残っている。
公園を見て悲しい思いを思い出させない為に、銀時があゆみを気遣ったのだ。



「ぎん、たぁっ…んっ。」



あゆみの目から、ぼろぼろと涙が出てきた。顔からつたっていった雫が、地面に黒い染みをつくった。



悲しくて



寂しくて



切なくて



辛くて



会いたくて



会いたくて



そんな思いがあゆみの心を支配していく。
もう、泣く事しか出来なかった。

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