子ども時代




私の周りには、松陽先生や小太郎、晋助がいた。もちろん、私が好きな銀時もいた。いつもいつも、私はこれでもかっていうくらい銀時の傍にいた。邪魔だし鬱陶しいはずなのに、銀時は優しいから私をほおっておく。私の好きにすれば良いと、そんな風に私を傍に置いておいてくれた。優しい優しい、私の愛しい人。



「亜由美。」



そう私を呼ぶ銀時は、切なく囁く様に呼んだ。
銀時の声はとても落ち着く。ハァハァと荒い呼吸と、心臓がドクドクと動くと同じ振動で瞳孔も動いた。この心臓の音が、とても懐かしい。ふぅと一息つきながら、私は私を呼んでくれた銀時の元へ走り寄る。

嗚呼、何でそんなに血まみれなのかって?
だって、天人は敵でしょ…?



そんな子ども時代。

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