お爺ちゃんは受け止めた



祥太くんへ会いに花子と共に公園に行き、死んだ事を伝えると、祥太くんは言った。

「俺は河口のお爺ちゃんが好きです」と。





祥太くんの家は案外公園から近かったらしく、家へと連れていかれた。

「智光より河口のお爺ちゃんの事を俺は好きになっちゃいました。
それでどうやったら河口のお爺ちゃんと一緒にいられるのか、ずっと考えてたんです。
でも何も浮かばなくて、だけど今ようやく方法が思い付きました。」
そう言って祥太くんは俺の両手に手錠を嵌めた。
幽霊でも手錠を嵌められるんだなと驚きながらも、そもそも見えるし触れられるからなと、幽霊なのに幽霊らしからぬ自分に笑いそうになった。

「一緒にここで暮らしましょう。河口のお爺ちゃん」
死んだ俺に行く場所などなく、成仏出来ないとわかった今じゃ、むしろ居場所をくれるのは嬉しい。
手錠を嵌められた状態のまま祥太くんを見上げ、「花子も一緒でいいか?」と聞くと、「勿論」と返された。




花子と共に祥太くんの家に住み始めて数日、喪服を着た祥太くんが帰ってきた。

「河口のお爺ちゃんの孫って智光だったんですね。知りませんでしたよ!」
「言ってなかったか?」
俺の葬式で孫の智光と会ったらしく、至極驚いたと告げられた。
智光の方もなんで俺の葬式に祥太くんが来たのか不思議に思い、色々聞かれたと言われ、笑ってしまった。

そうかそうか
俺は2人に言うのを忘れていたのか
祥太くんの怒った顔はまだまだ子どものようで、とても可愛かった。


そういえばつい昨日、祥太くんは有名な神社へ行ってきた。
なんでもそこで、強力なお札をもらったらしい。
今はそのお札は玄関に貼られ、強力故に俺は家からでられなくなった。
でもまぁ特に出る予定はないので、祥太くんが学校から帰ってくるまでの間、いつも通り俺は花子と遊んでいよう。






補足

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