other2 | ナノ


▼ 不良×不細工5

リクエスト


「…ぃ……ー!」
誰かの声が聞こえ、俺はゆっくりと目を開いた。
少しずつ開いた目は、ぷっくりと頬を膨らませた松本を、目に捉えた。

「おーきーてー」
「…松本?なんでここに?」
寝る前の前後を全く思い出せず、何があったか必死で思い出そうとしたが、その前に「ねぇねぇおにーちゃん!おにーちゃんはだあれ?」と不思議そうな顔をした松本に腕を引っ張られながら聞かれたことで、俺の頭はもう何も考えられなくなった。




「やまとぉ!ぶーぶーしよ!」
「そうだな。ぶーぶーするか」

見た目は俺の知っている松本だったが、何故か中身は幼児になっていた。
俺の事を覚えていない松本に自分の名前を告げると、目を輝かせ
「やまとー!」と俺の名を叫んだ。
その可愛さに思わず松本の頭に手を伸ばし、頭を撫でると、松本は気持ち良さそうに目を細め、俺の手へと頭をすり付けてきた。
嫌がらない事を良い事に、頬や首を触ると擽ったそうにはするが、やはり嫌がる様子はない。
撫でていないもう片方の手で自分の鼻を押さえ、俺は思う存分松本を堪能した。

擦り寄ってくる松本を撫でくりまわしていると、松本はハッとした顔をした後『ぶーぶーしよ』と告げられた。
何の事だかわからなかったが、『そうだな』と松本に合わせると、
松本は俺の足の間に腰を下ろし、何処からか取り出した車のオモチャで遊び始めた。

きっと今の俺の顔は誰にも見せられないだろう。
それぐらい俺の顔は緩みきり、無意識に松本のお尻の感触に意識を集中させてしまっている。





「ぶー!ぶー!」と遊んでいた松本を見ていると、ピタリと遊ぶのをやめ、人差し指を咥えながらこちらへと振り向いた。
眉毛はハの字になり、ジーッと俺を見つめる視線に慌てて「どうしたんだ?」と聞くと、「おなか…」とだけ呟いた。
お腹が痛いのか?と思い、名残惜しいが上に乗る松本にどいてもらうように言い、腹痛薬を取りに行こうとしたが、グーッと聞こえた大きな音に、俺はバタリと床に寝転がり悶えた。

可愛い…松本が俺を殺しにかかってる…可愛い
仕草もお腹の音も全部可愛い

松本の可愛さに苦しみ、両手で顔を覆いながら寝転がった俺の上半身へ、松本はハイハイしながら上ってきた。
胸辺りまで来たのを感じ両手を顔から外すと、目と鼻の先の距離に松本の顔があり、俺の体の上に松本が乗っかってきた。

「松本っ!?」
肩に顔をうずめ、ギュッと抱き付いてきた松本は「おなかへったー」と言い、俺は両手を上にあげ、早く松本の為にご飯を作らなきゃと思いながらも幸せすぎて動けなかった。




「いただきまーす」
手を合わせてから俺の作ったミートパスタを松本が食べ始めたが、口の周りや服を汚しながら食べるので、慌てて手を止めさせると、目をウルウルさせ始めた。

手早くフォークとスプーンを使ってミートパスタを1口で食べれる量を巻き、松本の口まで持って行くと、目をキラキラさせながらパクリとそれを食べた。
モグモグとよく噛んだあと、パカッと口を開けるので、再び1口サイズを作り、松本の口まで持って行った。
それを何度も繰り返し、気付けばほぼ全てを自分の手からアーンをして食べさせていた。
松本の可愛さにクラクラし、許してもらえるなら、口の周りの汚れを俺が舐め取りたいとまで思ってしまった。


片付けをしていると、クイッと服の裾をつままれそちらを見ると、松本が立っていた。
何も言わず立ったままなので何だ?と見ていると、ジュワーと音がした。
もしかしてと松本の下半身に目を向けると、ズボンが水気を帯び、床には水溜りができていた。
その姿に洗い物の手を止め、俺は床にしゃがみ込んだ。

「やばい…やばい…やばい…」
俺は松本のお漏らしに興奮してしまった。
今の松本は小さい子どもと同じなんだ。
だからそんな子どもに興奮するなんてあっちゃいけないんだ。

そう心の中で呟くが、チラッと松本を見ると、全部出しきって気持ち良さそうな顔をしており、さらに俺の下半身は膨らんでしまった。





萎えることばかり考えたことで、何とかなったが、我が家には松本に履き替えてもらえるような下着はない。
だからといって下着を履かせないのも自分の首を絞めることになると簡単に予想が出来た。
仕方ないと重い腰を上げ、新品の下着を買いに、近くのコンビニへと行くことにした。
徒歩3分の距離なので松本は家に残ってもらおうと思っていたが、俺が家から出ようとした瞬間
「どこ?どこいくの?やまと…やっ…行っちゃやあ!」と言って泣き始めてしまった。
必死で「置いて行こうとしてごめんな、ほら松本一緒に行こう」とあやすと、涙を両手で拭い、首を縦に振った。

少しの間だけ、と自分に言い聞かせ、下着がない状態で適当なズボンを松本に履かせ、外へ出た。
松本はさっきの涙が嘘のように今はニコニコ笑顔で、俺の手を引っ張りコンビニへと向かった。
そんな松本とは反対に俺は『もしズボンが脱げてしまったら…』『松本は今、ノーパンで外に…』と悶々とした。






家に帰り、一応サッとシャワーを浴びるよう松本に言うと、
素直に「うん!」と言い、お風呂場へと松本は行った。
ふーっと息をつき、お風呂から出てくる松本を待っていると、数分でガチャっと扉が開かれる音がした。
出てきたかと音がした方を見ると、真っ裸の松本がおり、思わず目を逸らしてしまった。

「ふいてー!やまとー!」
「え?あっ、…おう」
なるべく身体を見ないように松本の身体を拭き、下着や服も結局俺の手から着せることになった。
松本の白い肌に目を奪われながらも、自分を制し、懸命に欲望を出さないように堪えた。





本を読んでいると『すーっ』と寝息が聞こえた。
見てみると松本が寝ており、俺は本を閉じた。

子どもの元気さについていくのは難しかった。
それに松本の可愛さに始終翻弄され、俺の理性を試しているんじゃないかと疑うほど、松本が可愛くて仕方なかった。

身体を少し伸ばし、眠っている松本を見ると、とても幸せそうな顔をして眠っていた。
その姿に俺は自然と頬が緩む。
幸せだな。まるで夢みたいだ…






ジリリリリリリッ
「…夢かよ」
チュンチュンと外から雀の声が聞こえ、変わりない朝がまた今日もやってきた。
もちろん部屋には松本が居るわけもなく、さっきのは全て夢だったのかとガッカリした。

夢にしてはマニアックすぎるもので、ここには居ない松本に申し訳なくなり、心の中で松本へ謝った。

夢の内容を思い出し、ほんの少しの間ボーッとした後、
枕元で鳴り響く目覚ましの音を消し、再び俺は寝る体制に入った。
夢だけでも夢を見させてくれ。

夢の続きを見るために、午前の授業を俺は諦めた。








補足

prev / next

[ back to top ]



×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -