(狂乱ラプソドス)

漆黒に溶け込むような黒髪が返り血を浴びて、月明かりに照らされて赤黒い輝きを帯びる。血に濡れた漆黒から覗く瞳はまるで今宵の月光か、碧く冷たい色をしていた。降り注ぐ赤の狂気にでも充てられたか、悦に浸るかのようにく、と口元を吊り上げると再び敵影を探し走り出す。後ろから見ていた後輩が、まったくあの人は。と言った風に呆れたような、それでいて楽しそうな表情を浮かべて後を追うように地を蹴った。

「せんぱーい、間違えて無関係な人殺さないで下さいよ?」

とかく言いつつ、少し先を馳せる漆黒がどれほどの狂気を纏おうとそれに呑まれる事はなく、また判断を誤る事もないということは言うまでもない事実だ。

……
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