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 ひとしきり逢坂さんとの一方的な言葉のドッジボールが終わると、九条先輩の興味はオレが手に持つコンビニ袋に移った。

「あれ、小鳥遊君いたんだ」
「この狭い室内に4人しかいない状況でそれは悪意以外の何物でもないっすよね?」

 流石にこれには頬がひきつる。が。

「ねるね☆ねるね☆」
「……なんでこの人達こんな話聞かねえの……!?」

 先輩は袋を素早く引ったくると部屋の隅にある水道で水をくみ、毒々しい色合いの駄菓子を練り始めた。

「こういうのってさー時々無性に食べたくなるよね」
「なりません。てかコンビニぐらい自分で行ってくださいよ」
「そんなことしたら灰になっちゃう♪」


「……なれよ」


「なんか言った?」
「いーえ、何も」

 駄菓子を食べ切ったあと、隣の椅子に座っていたオレのズボンのポケットから包み紙がはみ出しているのを見て彼は尋ねた。


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bkm
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