――西区 大通り ファーストフード店前
九条道行と情報屋、白乾児(バイカル)が店を出ると、歩道はすでに人だかりになっていた。
「ちょっと失礼♪ ……うわあ、また派手にやってるねえ」
「女の子の向こうで暴れてるの、ガラテアじゃないでスか?」
「本当だ。こんなとこで何してんの便利屋ランキング3位が」
「今年入ってほとんど仕事してナいランキング除外がいう台詞じゃないでシょう?」
「……ほら、学業が、さ。忙しいから」
「……」
「……なんだよぅ」
「……あー、はい、ジャパニーズジョークでスねわかります。
ところであの男の子、ケンカの最中に電話なんてずいぶん余裕でスけど」
「多分応援でも呼んでるんじゃない。この状況だし」
「彼らの方が優勢に見えまスよ?」
「違う違う。そっちじゃなくて――」
榊木の投げたハーレーが、綺麗な放物線を描いて人垣に突っ込んでくる。
そのままハーレーは九条達の目の前に大きく音を立てて落下。
騒ぎを見物していた人々は悲鳴を上げながらもどうにか下敷きは免れた。
「――二次災害の防止と後片付けの“応援”☆」