3‐4

「この女がこんなカッコでうろついてっから、ちょっと教えてやってんだよ。社会のジョーシキってやつを」


 頭には妙なヘッドセットを付け、
 髪はサイバーな黄緑。
 極めつけに体のラインがくっきりと分かるSFじみたボディスーツ。

 要はコスプレ、と呼ばれる類の服装だ。


「……あー、まあアレだ。女1人を大の男が5人がかりで囲むのと、どっちが非常識かっつー話だ」

 努めて冷静に話す蓮沼に不良のひとりがすごむ。

「おいおい、そんなに痛い目見たいの、オニーサン? そこのガキに怪我させたくないならおとなしく帰ったほうが良いと……!?」

 その男は、最後まで言い切ることが出来なかった。榊木が放り投げた椅子が口にめり込んだ為だ。
 少女は仁王立ちで、拳を固く握りしめている。

「マヒロ……よわいものイジメきらい。大ぜいでひとりをイジメるようなヒキョウモノはもっときらい。……あと……」

 顔を上げる榊木の目が据わっていた。

「ガキって言われるのはだいっきらいだあああぁあぁ!!!」


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bkm
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