見ると4、5人の派手な服装をした男が1人を取り囲んでいた。
他の客達は気付かないフリをして遠巻きに見守るか、逃げるように店を出ていくかのどちらかだ。
榊木がほとんど反射的に飛び出しかけると、秋山の骨張った手がやんわりとそれを制した。
「人助けは良いことだがな、お嬢ちゃんにゃまだ早い。
おっちゃんとこの兄ちゃんで行ってくるから、そこの菓子でも食って待ってな」
榊木の肩ががくりと落ちた。
「あー、秋山さん……こいつ一応……」
「マヒロ……コーコーセイだもん!! 17さいだよ!あと3年でオトナなんだからっ!!!」
「……ってことなんで、任せてもらっていいっすか?」
「……うっそだろオイ」
「うそじゃないもん、おっちゃんのバカ!!」
榊木は怒りを押さえきれない様子で不良達の方へ歩いていった。
蓮沼も呆れた様子でそれに続く。
「ねえ!」
「人の店で何やってんだ?」
囲まれているのは、見た様子20歳くらいの美女だった。
ただし。