3‐2
『せーの』
「「創立記念日です!」」

「ははは! 嘘つけこの悪ガキども!」

「…………」

「わあ、シュンサツだねハスヌマさん!」

「まあ俺も昔ァよくそういってサボってたからなあ。でも珍しいな、オーナーが授業抜け出してまで店にくるなんてのは。あんたに限って遊びに来たってのはなさそうだしな」

 トーンを下げた問いかけの声に、叱られ坊主の顔が一瞬で己の領分を守らんとする者のそれに変わる。

「……はい、この間の件で確認したいことが」

 蓮沼は普段よりやや事務的な口調で尋ねる。

「先週でしたか、店の中でドラッグやった高校生が派手に暴れて警察呼びましたよね。あの時そいつ1人じゃなくて仲間がいたように思うんですけど、どうなりました?」
「あぁ、あいつらな。出入り禁止にしてやろうかと思って今日あたり一応オーナーに相談するつもりだったんだ。
今もいるぜ、ほら」

 秋山がドアを少し開けてあごで不良達がたむろする方を示す。

「しょっちゅう他の客に絡んだり小競り合いやってるらしくてな。バイトの奴らもどう止めていいやら弱り切ってるみたいで……って言ってるそばからあいつら!」


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bkm
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