先輩は「よくできました」とでも言わんばかりに満足げに頷いてパチンと両手のひらを合わせる。
「はい、それじゃ通算3969回目の保安委員会特別活動を実施します。統括と指揮は僕、九条道行が…」
「「「「全力で反対します」」」」
「うわあ、素敵な一致団結デスネー。良いじゃん、仕切らせてよリーダーだし」
「誰も認めてませんけどね」
「えっ、いつクジョーさんリーダーになったの?」
「古参が偉いとでもお考えですか? 勘違いもはなはだしい……」
「お前の仕切りは雑すぎてもはや仕切りじゃねえ」
「……」
「どうしたんですか?」
この程度で傷ついてくれる人種なら苦労はないのだが。
顔を覗き込むと我らが首謀者様は目に涙を浮かべていた。しかしこの人の無駄に多彩な特技のひとつに「嘘泣き」があるのをオレ達は知っている。
「君たちなんて……タンスの角に小指ぶつけて複雑骨折すればいいんだバァカ! っていうかむしろヴァァアカ!!」
あ、出てった。
少女マンガ走りで。