そんな2人が今じわじわと戦闘体制に入りつつある。
オレとしては正直びびらざるを得ない。
「……あのぅ……」
「よしわかった。そんなに刀の錆になりてえなら表出ろ」
「2人とも、ケンカは」
「はっ、君がそこまで浅はかな子だとは思わなかったな。屈辱と後悔を花束にして君に贈るよ☆」
「しないで、くだ、さ……ってやっぱ聞いてない」
「随分とふがいないですね、小鳥遊君」
「マヒロとニキちゃんにおまかせなの!」
すっ、と女性陣2人が席を立った。
「「2人とも」」
「けんかしちゃだめー!!!」
「本題に戻って下さい」
次の瞬間。
榊木さんが蓮沼先輩の長身を軽々と持ち上げ、
叩き落とし、
続け様に九条先輩に美しいフォームで巴投げを決める。
その間逢坂さんはバケツに水を満たし……
何が何だか分からない様子の2人に頭から浴びせた。
「頭は、冷えましたか?」
――オレはこの時――この人達を敵に回すのは絶対にやめようと思った。
bkm