追いかけると逃げて行くらしい
2011/02/02


それから、気を抜くな、死ぬぞっていう戦闘前の角都のお決まりの台詞が無くなった。
何となく気持ち悪くて角都に何故言わないのか聞いたら、フン…お前を心配して言っていた訳ではないからなだと。
えーっまだ気にしてたのか、全く頑固なジジイだぜ、とか思いつつオレはめちゃくちゃヘコんだ。
だってそんな心配されるとかオレ角都が初めてだったんだぜクソ。
色々考えていたらオレを呼ぶ角都の声が聞こえて、すぐ目の前が暗くなった。何だァと思ったら得物を振りかざしてる敵がいて、そういや戦闘中だった事に気付く。
とっさに身を反らしたが避けきれず、オレの腹を刺した細身の刀はヘソから横半分キレイにかっ捌いていった。

痛てーなコラァ!と慌てて鎌を構えたが既にソイツの頭はぐちゃぐちゃになっていて、その後ろに立っていた角都がすごい剣幕でオレを睨んでいたから更にビビった。
「役立たずめ」
「……」
確かにその通りだったので何も言い返すことが出来なかった。もしかしたら角都はこのまま縫ってくれないかもしれない。とりあえずこれ以上内臓が飛び出ないようにオレは切れた腹を必死に抑えるしかなかった。



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