些細なことをきっかけに
生まれるらしい
2011/01/12


「アイツおかしーんだよ」
飛段の話の種はジャシンか角都かスペアリブくらいしかないのでそのアイツ、っていうのが誰を指すのかデイダラは聞かなくても分かってしまった。
「どこがだ?…うん」
デイダラが見るからに角都は聡明だし忍術にも長けていて頼りがいもあると思う。まぁちょっと口煩いのは認めるが。
「いや…オレ不死身なのによォ、気を抜くな死ぬぞーって毎回毎回しつけーの」
「……それはアレだろ、お前の事よっぽど心配してんだろ」
驚いた。あの相方殺しで有名な男が相方の死を気にすることがあるのか。
「ハ、ハアー!?角都が!?オオオオオレの心配!?」
「うん」
「…………」
素直に頷いてやると飛段はだんまりになった。
「っつってもオイラの勝手な推測だ、気になるんなら本人に直接聞いた方が早いと思うぜ…うん」
奥で飛段を呼ぶ声がした。自分が知っている頃の角都と今を比べれば角都は随分変わったなと思う。個人的には、良い方向に。
「あ、悪い、オレ行かねーと」
「お幸せにな、うん」
「ブハッ!て、てめーからかうんじゃねーよ!…まぁ話聞いてくれてあんがとな」
じゃーなーと手を降る飛段を見送るといつの間にかサソリが背後に立っていた。そういえば、飛段が角都の相方に宛がわれたと聞いた時ありゃ半日も持たないなとサソリとコッソリ話していたのだが、あれから既に半年以上も経っている。それどころか。
「気持ち悪ィなあいつら」
「…そーだな、うん」
春だな、青い春。まだまだ寒いというのに馬鹿みたいな話だと悪態をつく二人の口元はやんわりと微笑んでいる。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -