日曜日:有り余る程の贅沢 「今日は参謀を苛める日にするぜよ」 日曜日の昼下がり、仁王は高らかにそう宣言した。 「…は?」 意味が分からない。 「どういう意味だ…?」 「やから、苛める日じゃって。はい、下脱いで」 「…ムードのかけらも無いな」 「今更じゃ、さ、はよ」 ため息をつきながらも、言われた通りに下半身につけているものを全て脱ぎ捨てた。 「これで良いか?」 「ん、そこ座って」 仁王が指差したベッドに、腰掛ける。 「んじゃまずはー」 と、仁王が俺の剥き出しの陰茎に触れた。 腰が、ぴくんと揺れた。 「…んっ…っ」 仁王の細く骨張った指が、ゆっくりとその部分を扱く。 「ふ、ぁ…んっ…あぁ…」 人差し指で亀頭の割れ目を引っ掻かれる。 「んやあっ…あ、…っやっ」 漏れ出している先走りを、全体に塗られ、扱くスピードを上げられると、気持ち良さに何も考えられなくなった。 「…ひあぁっ…!ん、あっ、やあぁ…っあぁ」 「ぐっちゃぐちゃじゃなあ」 「や、…っ言う、なっ…んあぁあ!」 「やって、いーっぱい出てきちょるもん」 「…あぁ…!や、も…だめ…っイク…っイクぅ…!」 「だめじゃ」 「やっ、な、んでっ…」 射精感を最大まで上げられたところで、仁王がその手を止め、根元をきつく握った。 すんでのところで放出を止められた性器は、窮屈そうにその手の中でびくびくと脈打っている。 「苛める日じゃって言うたじゃろ。…んー、どこやったかの」 「なに、を…?」 ポケットを漁り始めた仁王に不安がつのる。 一体、何をしようというのか…。 「おー、あったあった。ジャーン」 擬音付きで、目の前に出された手に乗っていたのは、綿棒だった。 綿棒…もしかして…。 「嫌だ!絶対に嫌だ…!」 「おっ、察しついたん?さすが参謀じゃな」 「嫌だと…!」 「はいはい、大人しくしんしゃい」 聞く耳持たず、とはまさにこのことだ。 嫌だと言っているのに、仁王は、俺の手を押さえ付け、動けないように脚の間に身体を入れてきた。 嫌だ…!怖い…! 「…大丈夫じゃて。絶対気持ちようしたるから」 仁王が優しく囁く。 そして、次の瞬間、強烈な痛みが、身体を貫いた。 「ひぎいぃ…!いた…っにおぉ!いたい…っいやだあぁ…!」 「我慢しんしゃい。大丈夫やから」 「いあぁあ…っいたいっ!ぬ、いてぇ…!」 綿棒は、俺の陰茎に突き刺さっている。 「おー、すげ、どんどん入ってくのぅ」 「ひぅあ…っやあっや、だあぁ!」 俺の言葉なんかお構い無しに、仁王は綿棒をぐりぐりと中へ入れていく。 ついには、先っぽの丸い部分だけが、性器から顔を出す形になった。 「…っひ、いた…っいたい…も、やだ…ぬいて…!おねが…っ」 「あーあ、そんな泣かんで」 仁王が、勝手に涙を流す俺の瞼にキスする。 「動かすぜよ」 言われて、頭を横に振ったが、やっぱり意味は無くて、ゆっくりと綿棒が抜き差しされる。 「いぁあ…っふ、ひぐ…っ」 根元を再び扱かれる。 そのうち、痛みよりも快感が勝ってきた。 「…ひっ、あ…っやあっ、な、に…っこれえっ」 綿棒が出ていくたびに、射精にも似た快感が押し寄せてくる。 「んやあぁあ…!あ、ぁっ、ふやあっ…ひ…っ、やぁ」 「ククッ、よくなってきたん?」 「…ひぃっ…!こわ、こわいっ…きもち…っやらあ…!におぉっ」 「もっと気持ちようしたるぜよ」 「あっ、あ、や…っやだあっ…んあぁあ…!」 仁王の扱く手が、スピードを増す。 睾丸を舐められ、綿棒が容赦無く抜き差しされる。 押し寄せる快楽の波に、もう何も考えられない。 「ふやぁぁあ…!あっ、あぁっ、あ、んうぅ…!」 「も、イキそう?」 「ん…!っイクぅ…っあぁ…!めんぼ、あぁっ、とってぇ…っ」 「出したいん?」 「だした…っらしたい、よぉ…っせーし、らしたいぃ…!とって、ぇ…っ!」 もう回らない頭を、何度も何度も縦に振って「とってとって」と叫んだ。 「…ええよ」 「…っやあぁぁあ…!、んあぁぁあ、あ、あぁっ…」 綿棒を勢いよく抜かれた途端、せき止められていた精液が、そこらじゅうに飛び散った。 「のぅ…怒ってるん?」 俺の身体を拭きながら、仁王が尋ねる。 でも、答えてやらない。 「…悪気があったわけじゃなか…参謀に気持ちようなって欲しかったから。やって…好きなんじゃもん」 はあ、と俺はため息をつく。 「…あんなことしなくても…俺はいつも、どうにかなるんじゃないかと思うぐらい気持ち良い、よ…」 だめだ。 自分で言っていて、物凄く恥ずかしくなってきた…。 「にお…今のは…っうわ!?」 言い訳をしようとしたら、仁王に思いっきり抱きしめられた。 「はあー…さんぼー好きじゃあ。死ぬほど好きじゃー」 「お、大袈裟だ」 「えー、さんぼーは?俺んこと好き?」 全く都合の良い。 しかし、幸せそうに笑う仁王を見ていたら、先程のことなどどうでもいいことに思えて。 俺は、少し考えた後、こう答えた。 「死ぬほど好きだ」 「ははっ、大袈裟じゃあ」 仁王が嬉しそうに笑った。 幸福な日曜日だった。 有り余る程の贅沢 (僕は貰ってばかりで) -----キ---リ---ト---リ----- こちらに移動しました [←] | [→] |