メモログ | ナノ

・青山華道家、遺体なき殺人事件



◎登場人物

・24歳眼鏡の天才:柳生(よく食べるからブン太と迷ったけどやはりこれは柳生ですよね。単に柳生が好きというのもあります)
・その相棒:真田
・まったく出てこない係長:丸井くん
・同じく出てこない資料を持ってきた二係長:ジャッカル
・私がみやびちゃんポジションにしたいなあと思ってる:ジロちゃん
・殺されたカリスマ華道家:幸村
・その奥さんの未亡人:柳さん
・幸村の右腕:仁王くん
・幸村の弟子:赤也
・ブロガー:浦山しい太
…です。それでは張り切って、どうぞ!


◎これまでのあらすじ

数年前に犯人が見つからないまま終わった、青山のアトリエで華道家の幸村精市が殺された事件。
当時の容疑者候補は、幸村の友人で右腕の仁王雅治と、一番弟子の切原赤也。
しかし二人には完璧なアリバイがあり、逮捕することは出来なかったという…。
さて、この事件を縁あって再び捜査することになった、24歳京大出身の柳生と、元機動隊の肉体派、真田。
二人は堅実な捜査と思いつきと刑事ドラマによくあるご都合主義によって、犯人をつきとめたかに思えたが…?


いきなりクライマックスである!

ついに犯人を追い詰めた柳生と真田。
しかし犯人の仁王は、未だ白を切り通している。
「証拠は。俺が犯人っちゅう証拠はあるんかのう」
「貴様!この期に及んでまだ…!」
「待ってください、真田くん。証拠ならあります。このファイルをどうぞ」
柳生はクリアファイルを渡した。
「一枚目」
と仁王に中の書類を指定する。
「そこにはあなたが犯行時刻、殺害現場とは遠く離れた京都にいたという証拠の写真が載っています」
確かに、そこには京都講演の際に、駐車場でファンと一緒に撮ったという写真が載っている。
ファンの一人、浦山しい太氏の書いたブログである。
それがまさに犯行当日の写真であることは、彼以外にも複数のファンに確認済みだ。
「これのどこが証拠なんじゃ?」
「可笑しいんですよ。どう考えても可笑しい」
「柳生?何を…」
「あなた、確か京都には一人で行ったんですよね」
「もちろん」
「二枚目」
仁王が書類をめくる。
「…!!」
「それは、さっきの写真に写りこんでいた、あなたの車の中を拡大したものです」
にやり。柳生は笑う。
「可笑しいですねえ。アイスコーヒーが…二つ。まさか、両方とも少しずつ飲んだ、とは言いませんよね」
そこには、飲みかけのアイスコーヒーのプラスチックカップが二つ、行儀良く並んでいたのである。

がくり、と仁王はうなだれた。
「…京都に行く途中のパーキングで、幸村が買ってくれたんじゃ…」
「奥さんには内緒で気分転換に京都でも行こう。そう誘ったんですね」
「幸村がどうしようもないスランプなのは知っとったから。やつが蓮二に電話を掛けているときを狙って、背後から撃ったんじゃ」
「幸村さんが奥さんに、青山のアトリエにいると告げるのを待って、ですか。アトリエは事前に争いがあったと思わせるために、荒らしておいたんですね」
「その通りじゃ」
「むむう…。犯行現場は青山のアトリエではなく、京都だったというわけか」

「…いつ俺が犯人じゃと?」
「最初、あなたに会ったときから」
「え?」
「あなた、幸村さんからその日電話をもらった際、すぐに彼がアトリエにいると分かったとおっしゃいましたね。鈴虫の鳴き声がうるさかったから」
「そりゃそうじゃ。あそこには鈴虫がうじゃうじゃいる虫かごが…」
「ええ、確かにあそこには鈴虫がいます。しかし、聞こえるはずがないんですよ。…鈴虫の鳴き声の周波数は、電話では拾うことが出来ないのですから」
ギラン。柳生の眼鏡が妖しく光った。


事件はこれにて一件落着かと思われました。
しかし、その日、なんと幸村の奥さん、柳蓮二さんが切原赤也に絞め殺されたのです。
実は、蓮二さんは仁王と不倫関係にありました。
仁王を唆したのは彼です。
そのことを知って、切原は逆上したのです。
なぜなら、彼もまた、蓮二さんと体の関係を持っていたからです。
ああ、なんと罪深き美しいお方!
私も一度で良いから、その肌、その髪、その唇に触れてみたかったものです。
もっと言うならば、縛られて華を飾られ、その姿を冷たい瞳で見下ろして欲しかった!
しかしそれももう叶いません。
美しいあなたはもう、瞳どころか全身が冷たくなってしまわれたのですから!





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スペックをご存知ない方、本来はもっと真面目です多分


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