メモログ | ナノ

・ヒロシの占い部屋



「柳さん!柳さん!」
「どうした赤也。廊下を走っては弦一郎に怒られるぞ」
「柳生先輩が変なんです!ちょっと来て下さい!」
ぐいぐいぐい。

「…保健室?」
「驚かないでくださいよ…」
ガラッ。

「おや、柳くん、ごきげんよう。切原くんはさっきぶりですね」
「柳生…なんだその格好は。黒いローブにベールなんて」
「占い師らしいっスよ」
「占い師?」
「はい。私、今日からここで占いを始めたんです。結構評判も良いんですよ。いかがですか?一回占っていきませんか?」
「それは良いな。赤也、ぜひ占ってもらえ」
「俺っスか!?」
「良い機会だ」
「ええー…じゃあ、まあ、はい、お願いします」
「一回五百円になります」
「金取るんスか!?」
「赤也、早く」
「うう…はい…」

「では始めます」
「ほう、水晶占いか」
「ええ。私はこの中に、過去、現在、未来を見ることが出来ます」
「へー…」
「ではまず現在から。ハアッ!」
ズモモモモモモ!
「…ふぅ〜…切原くん、あなた今、お慕いしている方がいますね」
「お慕い…?」
「好いている、という意味だ」
「はあ、まあ」
「しかし中々上手くいかない」
「はい…」
「想いを伝えるのもままならない」
「はい」
「ある程度仲は良いのに」
「はい…!」
「彼の気持ちを知るのが怖い」
「はい…っ!!」
柳生、切原、手を取り合う!
「(彼…?)」
柳、首を傾げる!

「…では次に過去を見てみましょう」
ズモモモモモモ!
「う〜ん…切原くん、あなた昨日、部室でとんでもないことをおかしましたね」
「とんでもないこと?」
「柳くんの飲みさしのペットボトルに…」
「わー!わー!」
「口を…」
「わー!わー!」
「赤也、うるさいぞ」
「すんません…」
「しかし切原くん、ぬるいですね!私などは、口をつけるどころか、舐めまくって唾液まみれにしてキャップを…」
ガラガラッ!ガシャーン!
「仁王くん!あなたまた私の格好をして!!!!」
「…ピヨ?」





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仁王くんはなんでも知ってるぞ、と。
ところで、ベールで合ってるんですかね?あの顔にかかったオーガンジーみたいなやつ。


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