02月11日(金)09時50分 の追記




仁王の顔がこんなに近くにあるというのに、いやに冷静な自分がいた。
そのことの方が俺には驚きだった。
唇が重なっていることよりも。
手が絡まっていることよりも。

「…は、ぁ」
甘ったるい息が口から漏れた。
それに対してか、仁王の口角が上がる。

「…抵抗しないんじゃねぇ?」
仁王の指先が、俺の髪に触れる。
「当たり前か…参謀は、俺のこと好きじゃもんな?」
仁王が、髪をぐしゃりと掴む。
その拍子に頭皮にピリと痛みが走り、思わず顔をしかめた。

「…仁王」
「なんじゃ?」
「お前の方こそ」
と、ほとんど飾り程度に縛られた彼のネクタイを引っ張る。
「俺のことを好きな癖に」
唇と唇が触れ合うスレスレのところで、言う。

「…ほんま、参謀には敵わんきに」
そんなこと、思ってもないくせに。
言おうとした言葉は、憎たらしい唇へと吸い込まれていった。









なんじゃあこりゃあ…!
お互いに好きと言わせたい仁柳とか可愛いなあって思ったのに、書いたら全然可愛くなくてびっくりでした
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テーマ「人外ファンタジー」
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