09月30日(金)23時36分 の追記
俺の名前はクララ三世。 かの有名な大泥棒シライーシ・クララの孫や。 もちろん俺も世界を股にかけて活躍する泥棒や!
◎先週までのあらすじ 小春ちゃんによると、俺の大事な謙也が跡部キングダムの地下に幽閉されているらしい。 地下に急ぐ俺たちは、果たして謙也を救い出すことが出来るのか!?
クランザサ〜ド! チャッチャラッラ〜♪チャーラーラ〜♪(テーマソング)
ジャッジャッジャッジャッ!キュピーン! 「第43話、どうなる謙也!?跡部キングダムの決戦!」
「ここよ〜ん!ここに謙也くんは捕まってるのよ!」 小春ちゃんが指差したのは、仰々しい鉄の扉だった。 俺達は跡部キングダムの地下にいた。 「随分と頑丈そうなドアやなあ」 「当たり前やん。これ、ダイヤで出来てるんやから」 「ダイヤ!?」 「そう」 「せやけど、こんなくすんだ鉄みたいな色してんで?」 「原石を上から加工しとんねん。ダイヤってばれたら燃やされてまうかも知れへんやろ?って言っても、こんな地下でこんな大きなダイヤ燃やして大火事起こす馬鹿はおらんやろうけどなあ」 と小春は説明した。
そして、「うち一人やったら無理やけど、あなたたちならなんとか出来るでしょ?」と俺たち二人を見渡す。 「ま、うちには何でも斬るやつがおるしな」 チラ、と光を見る。 めんど、と呟かれた気もしたが、聞かなかったことにした。 「光」 「俺一人じゃ、ただ切れ目入るだけなんで、斬った瞬間にそこに拳銃ぶっ放してください」 「よっしゃ!」 「…あと、ユウジさんは?」 「解雇した」 「あ、そう」
光が刀を抜く。 そのまま一気に扉に向かい、斬ったところで、俺と小春は拳銃を撃った。 ドガーン!となんかすごい音がして、扉は崩れた。
「謙也ー!助けに来たでー!」 瓦礫を踏み越えて部屋に入り、大きな声で叫んでみたけど、返事は無い。 というか、ここはどこだ? 見渡した部屋の中は、牢獄にはとても見えなかった。 というよりも、ここは…。 「金庫、に見えます。俺には」 横にいる光が呟いた。
「…ごめんねえ」 やけに浮ついた小春の声がして、俺達はハッと振り返った。 彼女はいつの間にか瓦礫の向こう側に戻っていて、勝ち誇ったように、ふふ、と笑った。 「ここなあ、本当は牢獄やないんよ。謙也くんも捕まってなんかないしなあ。今頃、侑士刑事とイタリアで仲良くお茶でもしてるんちゃう?」 「…まさか…っ俺達を騙したんか…!?」 「そうなってまうわねえ」 「何でそんなことを…!」 「これや、これ」 「そ、それは…っ」 小春が手に持っていたのは、エクスタシーダイヤだった。
「謙也くんに化けた潜入で、在りかは分かってたんやけど、どうしてもあの扉が破れなくてねえ」 「それで騙したんか!」 「ふふ…あなたたちならなんとか出来るって言うたでしょ」 そう言うと、小春はヒラリと踵を返した。 「くそ…!待てや!追うぞ!光!」 「そんな場合やあらへん!またブログ炎上した!」 「…はやっ!」
…to be continue
〜次回予告〜 小春にすっかり騙されたクララ達は、新たなお宝を求めて今度はイタリアへ!? そこで因縁のあの人にまさかの再会!? そんな中ユウジは、たまたま始めた株で大儲け。ヘッドハンティングに合っていた!? 光は一人傷心のベルギー旅行!楽しんでね! 次回!クララ三世!「来たでイタリア!侑士刑事との再会!」お楽しみに!
--------- どこまで続く!
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