09月08日(木)22時48分 の追記


俺の名前はクララ三世。
かの有名な大泥棒シライーシ・クララの孫や。
もちろん俺も世界を股にかけて活躍する泥棒や!

隣にいるこいつは、拳銃使いのユウジ。
占いも弾丸も、当たるも八卦当たらぬも八卦が信条で、ぶっちゃけあんま役には立たへん。
今週も活躍せえへんかったら、来週には解雇を言い渡そうと思っている。
その横でだるそうにしているのは、日本刀を扱う光。
腕は良いが「古傷が疼く…」が口癖なのが欠点や。
たまに、「古傷が疼くんで」と言って勝手に戦線を離脱してしまう。

そして忘れちゃいけないのが、女(?)泥棒の小春ちゃん。
こいつはまじで危険や。
頭が良いし行動力もある。
俺たちのお宝も何度も横取りされている。
ユウジがベタ惚れなのもあかん。

そうそう、もう一人紹介しなきゃいけないやつがおんねん。
忍足のイトコこと侑士刑事。
ナニワ警察の人間で、俺のことを執拗に追って来る。
とにかくしつこくて、ぶっちゃけ何度か捕まったこともある。逃げたけどな。

そんなわけで毎度絶好調、いや、絶頂な俺やけど、今回はちょっとヤバイかもしれへん。
というのも、遂にあいつの本拠地「跡部キングダム」に潜入したからや。
そこで俺たちを待ち受ける大きな罠とは…!?

クランザサ〜ド!
チャッチャラッラ〜♪チャーラーラ〜♪(テーマソング)

ジャッジャッジャッジャッジャッ!キュピーン!
「第41話、クララ絶体絶命!?跡部キングダムの罠!」


「な、なんやこの部屋は…!」
お宝があるという部屋に入った俺たち三人は驚いた。
そこには確かに目当ての宝石「エクスタシープリズム」があった。
しかし、宝石の入ったガラスケースが置かれた台の周りには道が無い。
というより、床が無いのだ。
俺たちのいる場所、ドアを開けてすぐのところから1メートルほどで床はすっぱりと切れてしまっている。
その遥か先に、ガラスケースの置かれた台が棒のように突っ立っている。
ここは跡部キングダムの最上階、床の無い場所は底が見えず真っ暗だ。
まず落ちたら助からない。
部屋の中がこうなっているという情報も無かったため、そこを突破する道具も持っていなかった。
ここは一旦引いて作戦を練り直すか、そう思った時、閉まっていた後ろのドアが開いた。

「久しぶりじゃねーの、クララ」
「跡部…!」
そこにいたのはこの城の主、跡部だった。
周りを囲むようにその部下たちもいる。
跡部が造った哀しきサイボーグ、樺地と、睡拳の使い手眠りのジローこと芥川だ。
そしてもう一人。
「なんで謙也がそこにいるんや!」
そう。そこにいたのは、数日前跡部にやられてボロボロになった俺を看病してくれた謙也だった。
跡部に支配された街で暮らす謙也は、幼い頃に両親を失い…(以下略)というわけで俺は謙也に惚れていた。
宝石の在りかを教えてくれたのも謙也だった。

「くそ…っ跡部…!謙也には手を出すな!」
「何を言ってるんだ?…ここにお前たちをおびき出したのはこいつだぞ?」
跡部がニヤリと笑う。
「なんやて!?」
俺は動揺を隠すことが出来ない。
「そこにある宝石も偽物だ」
「そんな…っ謙也…!俺たちを裏切ったのか…?」
「…ちゃう」
俯いた謙也が首を振った。
「せやんな…!」
「ちゃう。最初から、俺はこっちの人間や!」
「…っそんな!」
「そういうことだクララ。お前たち!やっちまえ!」
跡部の言葉とともに、部下たちが襲ってくる。
後ろは深い闇。
俺が拳銃を構える横で、ユウジと光もそれぞれ拳銃と日本刀を構えるのが見えた。

「…グアァァ!!!」
しかし、俺たちにたどり着く手前で、部下たちの動きは止まった。
いや、止まったのではない。
倒れ込んだのだ。
しかも、その先で跡部も同じように倒れている。

たった一人何事も無いように立っているのは謙也だった。
彼は床でもがき苦しんでいる跡部を一瞥すると、にっこりと笑った。
そして自らの顔に手をかけると、皮でも剥ぐようにベリベリと何かを剥がした。
「!」
「こはるうぅぅ!」
ユウジが叫んだ。
そこに現れたのは小春ちゃんだった。
「お久しぶり♪」
小春は床の彼らを見ると、「思ったより効くのが遅かったわねえ。やっぱりデザートよりもメインディッシュに仕込んだ方が良かったかしら」と微笑んだ。

…to be continue


〜次回予告〜
突然現れた小春、彼女(?)の目的は!?
更に捕らえられた謙也をクララは助けることが出来るのか!?
そんな中ユウジはたまたま開いた占いホームページが大盛況!ネットの母と呼ばれていた!?
そして光のブログは炎上!?
次回のクララ三世は、大反響にお応えしてなんと30分拡大版でお届け!
次回!クララ三世!「さらば光!?ブログは計画的に!」お楽しみに!







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無駄すぎる長さ。
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