05月09日(月)09時27分 の追記
▽今までのあらすじ 作戦:いのちだいじに!
「ちょっとそれどういうことだよ!」 幸村は真っ先に柳を問い詰めた。 柳は大きめの鞄を両脇に抱えている。
「実は、先日跡部キングダムにスカウトされたんだ」 「跡部キングダムに!?」 五人の声が重なった。 跡部キングダムとは、隣町にデンと構えている、時代錯誤な馬鹿でかい城である。
「宍戸がな、同じ年下キラーとして是非とも話がしたいと」 「宍戸が!?くそ!確かにあいつは年下キラーだけど…!」 「すすろてっぱい!じゃもんなあ」 「あ、それと」 と柳が小さく手を挙げる。 「芥川が、良ければ丸井もと言っていた」 「まじで!?」 「行くか?」 「行く行くー!跡部キングダムっつったら御馳走ばっかだろい!?こんなしけた道場の修行僧みたいな食事よりずっと良いぜい!」 「な、なにをー!?」 真田は10のダメージを受けた。
「では二人でここを出ていく」 「悪ぃなお前らっ」 「待ちんしゃい!」 「仁王…?」 声を上げたのは仁王だった。 「実は俺もな、前々から、鳳に同じ銀髪仲間として跡部キングダムに来て下さいっち言われとったんじゃ。…ちゅーわけで俺も参謀と共に行くぜよ」 と柳の腕に絡み付いた。 「な、なにいー!?」 「待ちたまえ!実は私も忍足君から同じ眼鏡仲間としてしつこく誘われていたのを今しがた思い出しましたよ!」 「や、柳生までも!?」 「そういえば俺もキング仲間として跡部に誘われていたような気がする」 「真田まで!?つうかキング仲間ってなんだよ!」
幸村は頭を抱えた。 「みんな無理矢理共通点を捻り出してきやがった…!あと残りは…!日吉…?あのキノコと俺にどんな共通点が…?ないだろ。どっちかというと蓮二とキノコ同盟だろ。樺地?ないだろ。向日?ないだろ。滝?ないだろ。くそ…!なんで跡部キングダムなんだ!青春寿司屋なら不二と、白石クリニックなら白石と腹黒もしくは植物好きという共通点があったのに…っ!」
ポン。 柳が幸村の肩を叩いた。
「蓮二…。…ど、どうしたんだよ…っさっさと俺を置いて行けよ…っ!」 「いや、やめた」 「やめた…?」 「精市がいないところになど行けない…。そのことに気づけなかった俺は大馬鹿者だ」 「…蓮二、それって…っ!」 「精市…!」 「蓮二…!」 サ〜クルッオブラ〜イフ。 ルルル〜ルル〜ランラ〜ラ〜ララ〜…
ガラッ。
「あ、おかえりー。赤也、ジャッカル」 「…何やってんスか」 「え?見て分からない?劇団四季ごっこだよ!」
サ〜クルッオブラ〜イフ!ドン!
「…ジャッカル先輩、俺ここ出ていきます」 「奇遇だな。俺も今同じこと思ってた」
--------------- 終わります。
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