※ 箱学の反対側っていうか裏っていうかまぁ近くに女子高がある設定
※ ヒロインは女子高通いで箱学の近くのアパート暮らし(母と二人)のコンビニ店員。
※ 捏造嫌いな人はUターンお願いします。
※ ギャグ要素アリ



「いらっしゃいませー!」

店内にいつもよりも高めな私の声が響く。朝には陳列されていた筈の、滅茶苦茶になった商品を綺麗に並べていると、入店の音楽が鳴って咄嗟に挨拶をした。振り向けばそこには三人の箱学の男子生徒。このコンビニに近い箱根学園の生徒はよくここに来る。ていうか、イケメンが二人もいる。一人は顔が恐ろしいけど。働いてまだ一ヶ月だけど、ハコガクの生徒はバイト時間と下校時間とも重なってよく来るのに、初めて見たかも、この三人。

「隼人、そんなに糖分ばかりとると栄養が偏ってしまうぞ!」
「美味そうでつい、な」
「荒北!お前はまたベプシか!?」
「あァ!?いちいちウッセーんだヨ!!オメーは母ちゃんか!?」

なんかキャラ濃そうな三人組だなぁ。ていうかイケメンなのに籠いっぱいお菓子とデザート入れてるし、イケメンなのにカチューシャしてる。

「うむ、これぐらいでいいだろう!」
「尽八、それうめぇの?」
「不味くはないな!味で決めているわけでは無いからな!」
「キシリトールガムとミンティア買いすぎだろォ」

三人が一気にレジに来たので、レジ一人では大変だろうと思い隣のレジへ向かった。

「お次のお客様どうぞー」

そういうと、私のレジに来たのは一番うるさかったイケメンだった。レジに置かれたのは何種類かの・・・ガムとミンティアとフリスク。全部キシリトールのやつ。あとスポーツドリンク。会計を終わらせて袋に入れてイケメンに渡せば、ニコッと笑ってお礼を言われた。なんて律儀なイケメンなの?今時コンビニ店員にお礼言う人いる?しかも笑顔ヤバイな。

「ありがとうございましたー」

イケメンで目の保養したからあと三時間頑張ろ。


その後も何度か、そのイケメン達は来店してきては同じ物を買っていった。赤髪の人はお菓子ならなんでもいいんだと思う。目つき悪い人はベプシ大量に買いすぎ。カチューシャの人は昨日もキシリトールガムとスポーツドリンク買ってった。ジャージ着てるし、スポドリ買ってるし、部活やってるのかな。

「あれ、ベプシ無いですよ店長」
「あ、本当だー。名前ちゃん補充してきてくれない?」
「はーい」

裏からベプシの補充をした後、表へ戻るとそこにはあの箱学の三人がいた。今日はいつもみたいなジャージじゃなくて、ぴっちりとしたユニフォームみたいなやつを着ている。

「あ、そのベプシ・・・」
「あ?」
「補充したばかりなので、冷えてるには冷えてるんですけど、いつもより冷えてないかも・・・」
「マジかよ。アンガトネェ」

目つきの悪い人が、ドリンクが陳列している扉の前に立っているのを見て話しかけたわけだが・・・ベプシ買うって決まってた訳じゃないのに何言ってるんだ私は。結果的にベプシ買いたかったみたいだから良かったけど。いや、良いのか?

「ワッハッハ!残念だったな荒北!帰って冷蔵庫で冷やしてから飲め!」
「ッセ!!!めんどくせぇだろォ。オレは今ベプシが飲みてぇんだヨ」
「あー・・・すみません」

本当ベプシ好きだなこのあらきたってひと。

「・・・苗字さん、君のせいじゃない。これはただのこいつの我儘なのだからな!」
「・・・なんで名前知ってるんですか?」
「ネームプレートに書いてあるからな!」
「あ、はい」

こいつ・・・慣れてやがる。さては学校でも有名なチャラ男かなんかですかね?

「おっといかん、いくら皆より早く着いたからといってもこれだけ時間が経っていれば皆戻ってきてる頃だろ。早く帰らねばフクに迷惑がかかる」
「フクチャンに迷惑がかかんのは御免だヨ」
「オレはもう買ったからあとは靖友と尽八だけだぜ」

結局、あの良く食べる人だけいつも通り大量にお菓子を買って二人は何も言わずに帰っていった。

「名前ちゃん今の高校生と知り合い?」
「違いますよ。よく来るんです」
「常連さんかー。常連さんとは仲良くするんだよ」
「え?・・・分かりました」

なぜ仲良くならなければならない。と言いたいところだったが、そろそろバイト終わるし話が長くなるのが嫌だから素直に返事をして上がった。



「あ」
「む、君は・・・」

朝、学校に行く途中で思わぬ人物に会った。コンビニの常連さんのカチューシャのイケメン。チャリ部だったのか・・・高そうな自転車。取り敢えず社交辞令、ていうか常連さんだし挨拶をして通り過ぎようとしたが、カチューシャのイケメンが話を続けた事でそれは叶わなかった。

「苗字さんは箱学の生徒では無かったのだな!道理で見たことが無いと思ったよ」
「箱学じゃないですよ」
「という事は・・・裏の高校の女子生徒かね?」
「まぁ」

それじゃ、と言いかけた所でまた彼は話を続けた。前から思っていたけど、この人は口数が多い。

「何年生かね君は」
「三年生です」
「同い年だな!敬語はいらんよ。オレは東堂尽八・・・って、知らない訳がないな!箱学一の美形を!!」
「・・・ごめんなさい、知らなかったです」
「何ぃっ!?」

ナルシストなんだ、このひと。これって、私も自己紹介した方がいいのかな。

「苗字名前・・・です」
「同じ学年なのだから敬語はいらんよ」
「・・・分かった。それじゃあ、私遅刻しちゃうから」
「うむ!またコンビニに行くからな!」

東堂さんと別れて急いで学校へ向かった。



to be continude


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