パァン パァン


「多分これで、ほとんどのアンデッドは始末できたと思う」

「残るは広間だけね」


侵入してから一時間、やっと中のアンデッドを始末することが出来た。なまえAがノートパソコンで建物内の形式を調べてくれたおかげでスムーズにできた。田所が扉の横で銃を構えて合図をして、新開が扉を開けた。


「ー・・・大丈夫そうね」


ショッピングモールの時同様、皆無事だった。


「葵!!」

「!隼人っ」


一人の女性を見つけた新開がそちらに向かって走っていった。それに気づいた女性も立ち上がって新開に抱きつく。


「無事でよかった」

「助けに来てくれるって信じてた・・・」

「・・・だれあのひと」

「新開の彼女。なまえ@知らなかったの?」


女性は新開の恋人だった。市民を連れて外へと出た。アンデッドのせいで一部に電気が通っていないのか、真っ暗でアンデッドも数を増して行くばかり。


「・・・仕方ない、避難所には戻れないだろう。今晩は何処かで休む事にする。みょーじA、近場で何かいい場所はあるか」

「探してみる」


なまえAがノートパソコンをいじってすぐに場所を見つけた。


「学校ならあるけど、どうする?」

「・・・いいだろう」


一晩、学校で過ごすことになった。見張りをローテーションで行えばなんとかなるだろう。さっそく私達はすぐ近くの学校へ向かった。






「これだけ見回れば大丈夫だろォ」

「そうだな」


学校についてすぐに門を閉めてアンデッドがいれば始末し、校舎内も見回った。幸いアンデッドはそんなに居なかった為にすぐに休むことができた。


「良かったじゃなァイ、彼女見つかって」

「ああ」

「珍しくお前が焦っていたからな、心配したぞ」

「靖友も尽八も、ありがとな」


恋人が無事で安心しきった様子の新開に、私達も自然と笑顔になる。新開の恋人の葵さんは別の部屋で休んでいる。次にいつ休めるか分からないのだから二人でいればいいと言ったんだけど。


「腹減ったな」

「それより俺はシャワーを浴びたいぞ。美形な俺に汗臭いのは似合わんからな」

「ウゼー」

「シャワー室なら、室内プールにあるんじゃない?」

「巻ちゃぁあん!!」


シャワー室の場所が分かった尽八は急いで隣の部屋の巻ちゃんの元へと向かった。本当、巻ちゃん大好きだな尽八は。


「私達も後で入ろっか」

「そうね」







翌日、起きた私達は驚愕した。


「・・・マズイねこれは」

「どーするのォ、フクチャン」


どこから侵入してきたのか、数十体もいるであろうアンデッドが校庭を彷徨いていた。・・・見張り役だった隊員であろう人物までアンデッドと化している・・・ということは夜侵入してきたんだろう。幸い、まだ此方には気づいていない。


「夜行性、かもしれないわね」

「まずは侵入経路を探せ」

「巻島、小野田、鳴子、今泉、他の隊員は市民の安全を確保しろ」

「真波は残れ。残りは俺についてこい。行くぞ!!」


福富の声で私達は動き出した。そして、アンデッド達もその声に反応する。・・・音に敏感なのか。


「正面の門じゃないとしたら、フェンスを突き破ったか裏門を登ったかのとどちらかだな」

「どっちもあいつらに出来るとは思わねェけどなァ」

「・・・ここかもしれない」


なまえAがパソコン画面に映し出されている地図の一部を指差した。


「ここのフェンスは一番低い。私達の胸の位置くらいしかない。男のアンデッドなら簡単に入れるかもしれない」

「行くぞ」





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