アンブレア社、特殊部隊。

働いて三年が経とうとしているが、二、三度しか活動をした事が無い。戦争も無い平和な日本では私達が活躍する場面が全くと言っていい程無かった。活動するとすれば、海外から援護を頼まれた時のみ。それ以外は毎日、身体を鍛えている。

わたしの班は優秀なメンバーが集められた、特殊部隊の中でもナンバーワンと言えるであろう戦闘部隊。


「今日の出勤中も女子の視線が俺のみに集中していた!罪深い男だな、俺は」


この男は東堂尽八。自分の顔を鏡で眺めるのと、女の子が大好き。と、言っても硬派なんだか知らないけどファンとは一定の距離を保つらしい。


「誰もお前の事なんて見てねーヨ」


この男は荒北靖友。も、元ヤン。言葉遣いが荒く、素直じゃない。根は優しいとなまえAが言っていた。


「このお菓子美味いな。寿一、食うか?」


この男は新開隼人。兎に角よく食べる。一日中食べている。普段は温厚だが、戦闘になると豹変する。


「それより真波はどうした」


この男は福富寿一。この班のリーダーだ。「俺は強い」が口癖の天然ボーイ。


「アブ!アブ!アブ!アブ!」


・・・この男は泉田塔一郎。筋肉を鍛えるのが趣味。筋肉に名前をつけているらしい。


「おはようございまーす」


遅れてきたこの男は最年少、真波山岳。マイペースだが、医療に関しては凄腕らしい。


「なまえ@、パソコンがウイルスかかったって言ってたでしょ。直しておいたから」


彼女はみょーじAなまえA。私の親友(一方的)でありチームメイト。兎に角頭が良い。


「ありがとう、なまえA」


そして私はなまえ@みょーじ@。主に戦闘で皆のアシストをしている。


「今日も平和だね」


部屋の窓から外を見れば、いつもと同じ景色が見える。三年間、これが変わった事など無い。綺麗な空に、沢山並んだビルに、歩いている人間。


「つまンねーけどなァ」

「そうか?日常が一番幸せではないか」

「毎日毎日トレーニングだけってのもつまンねーだろ」

「僕は楽しいですよ。アブッ!」

「筋トレ大好きなの泉田だけでしょ」


皆が外を見ながら話している中でも、泉田はダンベルを離さない。トレーニングするならトレーニング行ってほしい。


「でも華金だから今夜は飲みに行こうよ」

「いいですね、俺も行きたいです」

「真波、遅刻して来た事をフクに謝ってから言え」

「寿一、怒ると怖いからな」

「・・・」

「・・・どうしたの、靖友」

「・・・匂うぜ。・・・クセェ・・・」

「・・・」


この日常が壊されるなんて、私達は想像もしなかった。



to be continude


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