「真波、泉田はここの見張りを頼む。俺と新開は付近の捜索、荒北・東堂・みょーじA・みょーじ@は車と食料を頼む」
「生存者がいた場合は保護すればいい?」
「無理はするな。生存者を保護することで自分が危険な目に合うと判断した場合は保護しないで構わない」
「了解、フクチャン」
福富の合図で、全員一斉に動き出した。私達は車と食料を頼まれているので、外に出る。幸い近くにアンデッドはいない。
「案内は荒北となまえAに任せるよ」
「右に行っても左に行っても大きい建物があるはず。靖友、危険じゃない方に進んで」
「分かったヨ」
荒北は鼻をきかせながら進んで行く。そのままなまえAと荒北についていけば、大きなショッピングセンターに辿り着いた。入り口のガラスはところどころ割られているけど、そんなに荒れてはいない。
「荷物が詰めるように、先に車を見つけないと」
「それなら駐車場にたくさんあるでしょ」
先に駐車場に向かえば、車が駐車されていたり、途中で止まって逃げたのか扉が開けられたままの車もあった。
「これなんて良いンじゃなァイ?」
「これも鍵がさしっぱなしだ」
運良く車はすぐに見つかり、エンジンを付ければガソリンも少なく無い。そのままショッピングセンターの入り口に車を二台とめた。本当は残り二台欲しいところだけど、物や人を乗せるにはバスやトラックがいい。
「次は食料品売り場・・・だいたい一階じゃない?」
「そうだな」
荒北を先頭に、なまえA、私、尽八と並んで進んだ。電気もなければ窓も無いので多数ある入り口から光がはいっているだけで他はほぼ真っ暗だった。アンデッドにも遭遇せずに進んでいけば、食料品売り場に到着した。
「本当はカートで一気に運んでしまいたいところだけど、うるさいから一人一籠、いれられるだけ食べられる食料をつめて。あと、これが終わったら衣類やバッグを見たい」
「私も服がみたい!ずっと同じような服着てるし・・・」
「俺も欲しいな」
昼間の明るいうちに、全てを終わらせないと。
「カップ麺って、腐らないしいいよね」
「あまり身体に良くないがな。こういう非常事態だ、仕方ない」
「食べられればなんでもいい」
他にも生存者が荒らしたのだろう、ところどころ商品がなくなっていた。この際お菓子でもいいからとっておかないと。あ、カップ麺箱ごとあるラッキー
「インスタント味噌汁も欲しいしインスタントスープも欲しいな」
「楽しんでるだろ?」
「なまえ@、カップ麺あった?」
「あったよー!荒北は?」
「ベプシ箱ごと見つけて車に運んでる。ついでに車近くまで移動させるって」
「それは助かるな」
カップ麺のダンボールも運んじゃおうかなと思ったけど、あとにしよう。インスタントコーヒーとスープと味噌汁見つけよ。
「なまえAは何かいいのあった?」
「私は調味料あるだけカゴに入れて靖友に渡しておいた。水が欲しいんだけど、重くて運べないから靖友に頼もうと思って。あとは乾燥物や野菜類ダメになってないもの探してくる」
「魚とか肉はやっぱもうだめ?」
「見た目はいいとして、匂いがちょっと」
やっぱり生ものはだめか。
「尽八、これ入口まで運んできて」
「なまえ@を一人にしたら危ないだろう」
「荒北より心配性だね、すぐそこ行くだけなのに・・・大丈夫、なまえAもいるし。逆に危険なのは尽八の方だけどね」
「・・・分かった、気をつけろよ」
「尽八もね」
尽八にダンボール三つのカップ麺と籠いっぱいのインスタントものを持たせて入口まで行かせた。
「電気止まったの、昨日か今朝だねこれ」
飲み物売り場に行けば、少しだけ冷えている飲み物があった。昨日は電気通ってたし、やっぱり止まったばかりだね。
「なまえ@・・・今、上で何か動いた」
「え・・・何かって・・・」
「アンデッドか生存者のどちらかね。早く食料調達して上に行こう」
「そうだね」
そのあと荒北と尽八も戻ってきて食料をできるだけ多く車に積んで、私達は上に向かった。
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