「お前達にはこいつらと戦ってもらう」


目の前には変わり果てた姿の巻ちゃんと金城と田所。アンブレア社の男に銃を捨てろと言われて、巻ちゃん達は迷わず銃を降ろした。


「何してんだ巻ちゃん!早くこっち来いよ!」


尽八が巻ちゃんに叫んでも、巻ちゃんはピクリとも反応しなかった。


「こいつらはお前達同様、ウイルスに感染してから突然変異を起こして進化した。お前達には及ばないが、最高の実験材料だ」

「・・・」

「やれ」


スーツの男の一言で、巻ちゃん達は走って此方に向かってきた。


「巻ちゃんは俺が止める」
「金城は俺がやる」
「迅くんは俺が」


殴りかかってきた三人を止める尽八と福富と新開。


「お前らには無理だ」


男がそう言った途端に、突き飛ばされる福富と新開。私達も気付いてはいた。この三人は人間では素手で敵わない。


「新開さん!」

「フクチャンは俺が援護する」

「僕が新開さんを援護します!」

「私も」

「なまえA!」

「大丈夫、援護するだけ。真波はなまえ@が護って」


福富には荒北、新開には泉田となまえAがついた。


「荒北、援護はいいが手を出すな」

「分かったヨ」

「金城・・・お前を殺すことになるとはな」

「・・・イイの、フクチャン」


福富は頷いて金城に向かっていった。新開と泉田も田所に向かって行く。

しかし、尽八はいつまでも巻ちゃんに攻撃しなかった。


「巻ちゃん!!目を覚ませ!!」


攻撃されても、かわすか防御するのみで、ひたすら巻ちゃんに叫ぶのみ。呆れた荒北が尽八に怒鳴る。


「攻撃しねーとやられっぞ!そいつはもう巻島じゃねーンだヨ!!!」

「いいや、アレは巻ちゃんだ!!あの玉虫色の髪の毛、巻ちゃん以外いねぇ!!」

「目ェ覚ませ東堂!!オメーも感じてんだろ?アレから出てる雰囲気と・・・アイツが感染してる事」

「・・・っ」


尽八は悔しそうに唇を噛み締める。それでも巻ちゃんに攻撃しようとはしなかった。


「仕方ない」


スーツの男が巻ちゃんに何か言うと、巻ちゃんは此方に向かって走ってきた。尽八を通り越して・・・


「っ!真波!!!」


真波を狙って。

咄嗟のことに、真波を押すことしかできなくて、巻ちゃんの強烈な拳が私の鳩尾に直撃して

そのまま私は意識を手放した。






なまえA side


「なまえ@っ!!!!」


男に何かを命令された巻島が、真波を狙って拳を振りかざしたがなまえ@が庇って治療中の肋骨にそれが直撃した。やばい、そう思った。それはきっと東堂も真波も・・・いや皆同じだろう。今まで巻島に一切攻撃しなかった東堂が素早く巻島の前に移動して蹴り飛ばした。


「真波っ!!!!」

「はい!!!」


私は新開の援護に回らなければいけなので真波になまえ@を頼んで、私もそちらに駆けつけようとするが


「なまえA!」

「っ!・・・っ」


田所が今まで手放していた銃を私に向けて撃ってきた。そのまま弾は私の太腿に貫通する。


「なまえAさん!!」

「平気!!真波、なまえ@に集中して!」


心配そうに私をみる真波になまえ@の治療に集中するように言った。吐血もしている。鳩尾じゃ下手すれば死んでしまう。巻島は東堂が押している。


「田所・・・厄介ね」


頭を狙おうとしても、頑丈な腕でガードされてしまう。弾が効かないわけではない、肉の部分で止まってしまっているだけ。・・・近くにいけば、やれる。


「新開、もっと近づくしかない。泉田、奴の腕折れる?」

「おめさんが言うならっ!」

「分かりました!」


二人は一気に詰め寄った。私は兎に角隙を与えないように撃ち続けた。私が思うには、この三人の中では田所は一番完成度が低い。

泉田が田所の後ろに回ってまずは右腕を、そして左腕を折った。

これでもう頭をガードできない。その隙を狙って新開が一気に詰め寄り


「悪いな、迅くん」


パァン パァンッ


頭を撃った。





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