「・・・かなり動いてる。結構な数ね・・・10は居ると思う」

「俺が5体、東堂が5体始末すればすぐだろ」

「アンデッドだけとは限らない。それに私が言っている数も正確なわけじゃない」


止まっているエスカレーターをゆっくり登って上に上がれば、ゲームセンターや飲食店から光が漏れていてそこまで暗くはなかった。


「間違って人間を殺したりしないでね」

「行くぞ東堂ォ」

「荒北、前に出過ぎだぞ」


尽八と荒北を先頭に進んで行く。目が慣れてきてそこまで暗くは感じなかった。


「う゛ぅ・・・」

「靖友、前に二匹」

「わーってる、俺ァ鼻がイインだヨ」


素早く狼に転化した荒北は一気にアンデッドに爪を立てた。出遅れた尽八も刀を抜いてもう一体のアンデッドを始末する。


「この二人だと銃声みたいな大きい音がなくてスムーズね」


なまえAの言う通り、尽八と荒北の戦闘は銃を使わないので周りのアンデッドに気付かれにくい。

特に尽八は音も無く敵を倒す。


バッグが売ってあるところをすぐに見つけて、四つ持ってから衣類を探す為に三階に上がった。


「・・・なにこれ・・・」


三階のエスカレーターの前には、人・・・正確に言えばアンデッドが通れないように棚や重い物が敷き詰められていた。


「チッ、ンだよこれェ・・・」

「オイ!!誰かいるか!?」


尽八が叫ぶも、返事はない。仕方なしに荒北が力任せに物を蹴り飛ばした。


「誰だ!!!!」

「あ?・・・いンなら返事くらいしろヨ」


物を蹴り飛ばしたところで、生存者の男の人二人が急いで此方に走ってきた。片手にはバッドや釜を持っている。


「あの化け物達が入らないようにしていたんだぞ!!」

「オメーが返事しねーからだろォ」

「私達は敵ではありません。それ、下ろしてもらえませんか?」


なまえAが説得するも、聞き耳を持たない。恐怖で正常な判断が出来ないのだろう。


「キャァアッ!」

「!」


奥から女の人の声がして、私達も男の人も驚いて声のした方を見れば、アンデッドが一体人を襲っていた。隔離していたはずなのに、どこから?他の生存者達が慌ててパニックになる。


パァン


「!」

「隔離していたはずの場所に何故アンデッドが?」


なまえAがすぐに銃でアンデッドを始末した。襲われていた人にも銃を向けて。


「俺たちにも分からない!急に化け物になったんだ!!」


噛まれていたのを隠していたのかもしれない。兎に角、銃を使ってしまったからにはここも危険だ。


「いまの音や悲鳴で近くのアンデッドがここに来るかもしれません」

「ふざけるな!!ここから逃げてもどうせ外で襲われる!」

「大丈夫です、私達が保護しますから」

「警察か何かか?」

「特殊部隊です」


一通り説明して、周りの意見もあり生存者達を保護することになった。そこにあるだけの食料や武器、目的の衣類を持って駐車場に行き生存者の為に車を用意してから荒北達に取りに行かせた車と合流してショッピングセンターを出た。

生存者は、アンデッドと化した一人と襲われた一人を抜いて8人だった。



to be continude


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