「東京はまだそんなに感染してないのね」
「・・・パニック状態だけど」
車を見つけて無事に東京についた私達。東京はウィルスはそんなに広がっていないが、パニック状態で今まさに人間達が襲われている最中だった。
「どうする?助ける?」
「別に助ける理由ねーだろ」
「アンブレア社の部隊を探して、金城達の居場所を聞くのが先だ」
私達は急いで先に進んだ。しかし、どこを見ても襲われている人間ばかりでアンブレア社の部隊は見つからない。いたとしても、自衛隊のみ。
「クソッ!何処にいるんだ、巻ちゃん」
「アンデッドが増えていくばかりだな」
「どーするフクチャン」
「・・・守りながら進め。怪我をするような無茶な事は避けろ」
無駄な体力を使わないように、人間を守りながら進むことになった。それにしても、変だ。妙に身体が軽い。これもウイルスのせいなのか。アンデッドにならないのは、何でだろう。
「福富、話がある。一度静かな場所に入って話がしたいんだけど」
「・・・いいだろう」
なまえAが話があるというので、ひとつのビルの中に入って、話をすることになった。
「このウイルスの事なんだけど・・・私達は今、感染している状態なの」
「それは何と無くだが分かっていた」
「・・・私達にはウイルス抗体があって、アンデッドにはなっていない。そして私と・・・恐らく、靖友となまえ@と東堂は・・・ーー完全適応者。つまり、奴らの狙い通り兵器になった」
「・・・だから、身体がこんなに・・・」
「妙に軽いと思ったらそういう事かヨ」
「何故俺達なんだ・・・」
なまえAの言葉にはショックを受けた。私達はきっと、アンデッドと同じ化け物だ。
「なまえAは何で分かったの?」
「・・・眠っている間の記憶かもしれないけど、頭に流れ込んできたの。奴らの話し声が」
「ったく、めんどくせー」
「じゃあ、鳴子くんと今泉くんは抗体が無くってアンデッドになっちゃったわけ・・・」
「そういう事になるわね」
私達も抗体が無かったらアンデッドになっていたかもしれないのか。そう考えるとゾッとした。いまの自分も十分化け物に変わりはないけど。
「なら巻ちゃんは?巻ちゃんはどうなんだ?」
「金城達は抗体があったのか?」
「それは分からない。その話はしていなかったみたいだから」
「そうか・・・」
巻ちゃんと金城と田所の状態も気になる。
「あくまで私の考えだけど、もしかしたらアンブレア社の元にいるかもしれない」
「・・・それは厄介だな」
「じゃあ早く、アンブレア社を探さないとね」
急いでアンブレア社を探さないと。巻ちゃん達を助けないと。
「手分けして探すぞ。お前達は俺達と体力の桁が違うだろうから、四人で行け」
「でも・・・」
「安心しろ、俺達は強い」
「分かったよフクチャン」
福富、新開、泉田、真波。
荒北、尽八、なまえA、私で別れて探すことになった。東京ドームに19時集合。いまの時間は・・・12時ぴったり。
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