「なんであの人いつも自意識過剰なのに私にはそういう事言わないんだろう」


昨日の一連があった事でますます意識されていない事を知った私は一晩中考えて考えて、東堂が他の女子には「あの子は俺に夢中だ」とか「見惚れている」だとか言う癖に私にはそう言うことを言ったことがない事に気付いた。


「・・・あー・・・ネ」

「・・・そうだな」

「なにその間」


ちょっと哀れんだ様な、いや、なんか困った様な顔をしてから返事をする荒北と新開。


「まァ頑張れヨ」

「適当じゃない?」


荒北はベプシを飲み、面倒臭そうに机に突っ伏した。新開は何やらパワーバー?なんだか知らないけどお菓子を食べている。


「はぁ・・・」

「俺が手本みせてやるヨ」


そういうと、コソッと何か新開に耳打ちした荒北。


「おい東堂」


きっと巻きちゃんと通話していたのだろう東堂は、「またなー」なんて言いながら携帯を閉じて此方へ来た。


「どうした荒北」

「あー・・・」

「好きだ、尽八」

「俺も好きだヨ」

「?・・・俺も二人の事は好きだぞ?」


チラッと此方をみる二人に、こうやれと言われた気がして私も口を開いた。


「と、東堂!私も好きだよ!」

「お、俺もお前の事好きだぞ?」

「・・・」


そう言う意味じゃないよ。


「どうしたのだ三人共?」

「・・・いやァ、何でもねー」


東堂尽八、こいつ、手強い。


お前のこと好きだぞ
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