「はぁ・・・」
昨日あんな事を言われてから、さっそく東堂が無茶を言って相談乗ってやる乗ってやる煩いから結局相談相手が東堂・・・なんてことになってしまった。何故好きな人に好きな人の相談をしなければならないんだ。
「おい、みょーじ!溜息吐くと幸せが逃げるぞ」
「そんなん信じてるの東堂だけだよ」
「む、俺だけじゃないな!」
「分かったよ。で?話って何?」
そう、私は東堂に話があると言われて、屋上に呼び出されて居た。時刻は12時30分。お昼休みの真っ最中だ。お弁当を持参して来た私は東堂の横に座ってお弁当を広げた。
「みょーじの相談に乗ってやろうと思ってな!さっそくしてみろ!」
「・・・じゃあ、好きな人が鈍感過ぎて好きって事に気付いてくれないんだけどどうすればいい?」
「・・・それはお前のアピールがまだ足りないのではないか?」
「えっ????????」
いやいや待てよコラ。私は充分足りていると思うんだけど。例えば、そう、バレンタインなんて荒北と新開にはクッキーだけだったのに、東堂にはカップケーキを付けたり。荒北と新開にはすぐL○NE既読無視するけど、東堂にはきっちり返したり。・・・あれ?これって東堂気付かなくね?いや、バレンタインのはあれは気付くよね?あれ?
「積極的にアピールしてみたらどうだ?例えばそうだな・・・放課後一緒に帰ろうと誘ってみたらどうだ?」
「その人部活やってる」
「手作りのものを・・・」
「その人色んな人から貰ってる」
「む!?そいつモテるのか!?クソッ、俺意外に女子にモテる奴がいたのか」
お前だよ。
「兎に角、難しいんだよ私の好きなひと」
「みょーじも大変なのだな」
お前のせいでな。
「あ、今日の卵焼き美味しい」
「ん?それはみょーじの手作りか?」
「うん、親忙しいから毎日作ってる」
そういうと、東堂は私を見て口を開いた。・・・くれって事だよねこれ。いやでも間接キスじゃん!嫌だよ!恥ずかしいよ!
「・・・え」
なんて考えていれば、東堂が私の手を掴んで箸に挟んでいた卵焼きは東堂の口の中へ。
「ちょっ!!何してんの!」
「一口くらいいいだろう」
「え、あ、まぁそうだけど!!」
「なんだみょーじ?顔が紅いぞ?熱でもあるのか?」
恥ずかしくて紅いんだよ!!!もう、なんでこいつはこんなに鈍感なの。
「美味いな!!!」
「あ、ありがとう」
本当にむかつく
私の大好きなこの笑顔。
一口くらいいいだろう
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