※このお話はドラマCDのお話になります。ネタバレが嫌だと言う方はご遠慮ください。会話文です。
ヒロインは『』
「チッ、めんどくせェなァ」
「ワッハッハッ!!常日頃整理整頓をしていないからこういう時苦労するのだよ!」
「ッセ!!指差すな!」
『東堂うるさい』
「そういえば昨日フクが言ってたな。そろそろ部室の整理と掃除をやらねば、と」
「あーそうだよ。オレだってこんなモンやりたかねーけど、フクちゃんの頼みじゃしょうがねェ。つか、オメーらもやれよ!」
『え、嫌だよ!!東堂がやってくれるよ。ねえ東堂?』
「オレだけか!?まあ仕方あるまい、手伝おう」
「ったくオメーそんなんじゃ一生結婚できねーぞ」
『・・・仕方ない、やってあげるよ』
「オレと結婚する為には頑張らないとな!」
「あっそォ。フクちゃんは今日、次のレースの合同ミーティングやってて来れねーからよォ、明日までにやっとかねーとなァ。新開の野郎も進路相談でいねーっつーのは納得いかねーが・・・」
ガラガラッ
「失礼します!」
「失礼しまーす」
「おお、泉田と真波かァ。オメーらも手伝え!」
「機材棚の整理ですか?了解です」
「ああオレ用事あるの思い出しました〜」
『まぁーなぁーみぃーくぅん?』
ガシッ
「オメー、サボる気か?」
「あ、バレました?」
「ったりめーだ!!」
「でも福富さん、確か前に”真波には自由にやらせろ”って言ってくれてたんですよね?オレは直接聞いてませんけど」
「ああ、言ってたな」
『うん、言ってた』
「そりゃレースの話だろうが!」
「え?そうなんですか?」
「ああそうだ!!いいから口動かす前に手ェ動かせ!!」
「はーい。じゃあオレ、何すればいいですか?」
『雑巾で棚の拭き掃除してくれる?』
「はーい」
「!ならんね、それはならんよ」
「何がだよ」
「段取りが悪いな。こういう時はまず、棚を全部空にして拭き掃除をし、その後棚に機材を戻すのがスマートなやり方だ。荒北のやり方は場当たり的すぎる。手間が多い割には捗らない!」
ビシッ
「じゃあ最初からそう言えよ!?つか指差すな!」
『なんかさっきから東堂偉そうじゃない?なんなの?』
「それはオレも思った」
「な!?そんな風に思っていたのか!?」
「雑巾持ってきましたー」
ビチャビチャァ
「おお、それ置いといて。棚から機材全部下ろすぞ・・・って何だそりゃァ!?雑巾が水でひたひたじゃねーか。なんでしっかり絞って来ねーンだヨ!」
『下がびちょびちょになっちゃうじゃん』
「何かエロいな、それ」
「オメーは黙ってろ、東堂」
「拭き掃除していると、すぐに雑巾の水分が無くなっちゃうじゃないですか?これくらいにしておけば、何回も絞りに行かなくてもいいんで面倒臭くないんですよ」
「最初のうちに拭いた所は水浸しになるじゃねーか!ちゃんと絞って来い!」
「そもそも拭き掃除をする時は、雑巾だけ持ってきても役に立たんよ。水を入れたバケツも用意して、雑巾が汚れたらこまめに絞り直すのが本来のやり方だな。つまり荒北も掃除を分かってないという事だ!ワッハッハッ!」
『ぷっ』
「あっはっはっは!!」
「何でオメーらまで一緒になって笑ってんだヨ!?真波、オメーはバケツに水入れて持って来い!」
「はーい」
「アブ、アブッ!アブ、アブッ!」
「泉田、何やってんだァ?」
「繰り返し、片手でフレームを持ち上げたり下ろしたり・・・」
『(どーせ筋肉鍛えてるんでしょ)』
「余っているフレームを整理していたんですけど、上げ下げしているうちにアンディーとフランク、それに上腕筋と上腕筋二頭筋が喜びを感じてしまったみたいで、つい」
「掃除しろバァカ!!」
「アブゥ・・・」
「ったく、めんどくせェ。オレだってこんな事やりたかねーンだヨ」
『私もやりたくないけど荒北に無理矢理やらされたんだよ』
「バケツに水入れてきましたー!あと、雑巾も五つ持ってきました」
「気が利くな。五人で拭き掃除すれば、すぐ終わるぞ」
「あー・・・よし、と」
ビシャッ ビシャッ
『うわあ・・・』
「あれ?荒北さん、雑巾ひたひたですよ?」
「チッ」
『真波の事言えないよ?荒北』
「ワッハッハッ!!雑巾の絞り方がなってないな荒北!」
「あっはっはっは!!」
「うっせーな腹立つな。普段掃除なんてやらねーから容量が分かんねーンだヨ!オメーらも似た様なモンだろーが」
『一緒にしないでよ』
「ふふん、貸してみろ」
・・・
「・・・あれ?今絞ったんですか?」
『なにいまの・・・』
「ほとんど音がしなかったぞ。ちゃんとやったのか?」
「拭いてみろ」
「あ?おう」
キュッ キュッ
「おお・・・ちょうどいい感じに絞れてるな」
「オレの雑巾絞りは無駄な音を発しないスリーピング絞り!気付いた時には既に、雑巾は絞られているのだよ!ワッハッハッ!!」
『これからは掃除、東堂に任せようかな?』
「クソッ・・・うぜーけどオメーの方がオレより使えるなァ、掃除では」
「家が温泉旅行だからな。掃除はガキの頃から散々手伝わされてる」
『でもさっきからめっちゃ自慢げに言ってるけどそんなに自慢できること?たかが雑巾絞っただけで。まぁ昔の東堂はいい子だったって事は伝わった』
「言えてんな」
「それは言えてますねー」
『何ィ!?』
「アブッ、アブゥ。アブッ、アブゥ」
「オイ、泉田。テメー何やってんだァ?拭き掃除もしねーで何回も何回も雑巾絞り直してよォ」
「雑巾を絞る動きが、手首の筋肉を鍛えるのにちょうどいいという事を発見したんですよ!アブッ、アブゥ」
「だァから掃除しろっつってんだろ!!」
「アブゥ・・・」
『泉田はいつでもどこでも筋肉の事だね』
「棚の拭き掃除、終わったぞ」
「は!?もうかよ」
「言っただろ!?掃除には慣れていると」
「おおー、ピカピカですね」
『もし東堂と結婚したら毎日掃除してもらおうかな』
「名前、もしではない!必ず結婚するぞ!」
『えっ』
「えっ・・・お そうだ。今拭いたばかりだから、機材は棚が乾いてから戻そう。その間に他の掃除だ。取り敢えずは・・・各自で自分のロッカーを整理するか」
「おう」
「了解です」
「分かりましたー」
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