「オレのロッカーは、と・・・」


ガチャッ


「!?なんだそのロッカーは!?古い雑誌やら空き缶やら、ゴミだらけではないか!!」

『汚いよ荒北!!ゴキブリ湧く』

「ッセ!!湧かねーよ!今から捨てるんだよ!!あー・・・汚ねぇなァ・・・あ?このベプシ中身入ってんなァ。飲んじまうか」


プシッ


『え!?飲むの!?あり得ないから!!』

「ぬる!!まっず!!」

『当たり前でしょバカなの!?』

「そんなものが美味いわけないだろ!!何故持って帰って冷蔵庫で冷やしてから飲まない!?」

「めんどくせーだろォ!?」

「そうやってすぐに面倒くさがるからすぐに散らかるのだ!!」

「うるせーないいだろ今片付いたんだからよォ!!」


バタンッ


「オメーのロッカーどうなんだよ?」


ガチャッ


「ふふん、見ての通りだ。埃一つ無い」

「チッ、綺麗に使ってやがる・・・あ?なんだコレ?ゴミじゃねーか」

『あ 本当だゴミだ』

「ゴミではない!!予備のカチューシャだ!!名前までカチューシャをゴミだと言うのか!?」

『いやだってそんないらないでしょ』

「予備っつったって五本も六本もいらねーだろォ!?こんな無駄なモン、ロッカーに入れとくんじゃねーよ!」

「お洒落に興味の無いお前には分からんだろうが、その日の気分で変えたりするのに必要なのだよ!!」


バタンッ


「というわけで、オレのロッカーを片付ける必要は無い。他をやるぞ」

「オメーのはどうなんだよ?」

『えっ』

「人のロッカー見ただろうが、オメーのも見せろよ」


ガチャッ


「・・・いい匂いがするな。名前の匂いもするぞ」

『ごめん、引いた』

「あァ、オレも」

「何故だ!?」

「まァ、片付いてンじゃねーのォ?」

『まあ女子だからね』


バタンッ


「こっちは新開のロッカーか」


ガチャッ


「うおお!?なんだこりゃァ、エナジーバーだらけだ」

『溢れそうだよこれ』

「バナナ味とチョコレート味しか無いな」

「あいついっつもエナジーバー食ってんのに全然無くならねーと思ってたが」

「これだけストックしてあれば無くなり様がないな」

『一本貰ったら”あるるるるる”って怒られるかな』

「オメー新開の事バカにしてんだろォ?・・・あ?何でか分かんねーが野菜が落ちてんな。捨てといてやるか」

「いや、よく見ろ。ニンジンとキャベツ・・・つまり、ウサ吉君の餌だ。これは捨ててはならんね」

「おおおう・・・そうだな」


バタンッ


「そしてこれがフクちゃんのロッカーか」

『なんでそんな嬉しそうなの?』


ガチャッ


「流石フクちゃん!!ロッカーも完ぺ・・・あ?こりゃァ・・・何でロッカーに皿が、しかも二枚?」

「皿回しでもやるんじゃないか?」

「フクちゃんがンな事するわけねーだろ!」

『(皿回し練習してたなんて言えない)』


pi pi pi pi


「ん?・・・フクちゃんからだ。・・・ああオレだ、おお、今やらせてるヨ。おう、オレに任せときゃ大丈夫だからよォ、分かった、じゃあ明日」


ピッ


「凄いタイミングで電話がかかってきたな!」

「ああ、流石フクちゃんだぜ」

『(良かったね福富。ナイスタイミング)』


バタンッ


「真波、オメー何ぼーっと突っ立ってんだァ?ロッカー終わったのか?」

「えーっと・・・終わったっていうか、終わってたっていうか」

「んだよ見せてみろ」


ガチャッ


「・・・ってお前のロッカー空っぽじゃねーか!?全部捨てたのか!?」

「いえ、最初から何も入ってないんで」

『うわあ、空っぽ』

「着替えも入れないのか?」

「ジャージは鞄に入れて持ってきてます。脱いだ制服も練習終わるまで鞄に入れればいいし」

『寧ろいつも制服の下に着て来てるもんね』

「じゃあオメー、ロッカーいらねーじゃねーか」

「あっはっはっは、そうですね」

「真波はロッカーの内側を拭いておけ、対して汚れて無いだろうがな」

「はーい」

「アブ、アブッ。アブ、アブッ」

「またアブアブと聞こえてきたな」

『いつものことじゃん』

「オイコラなんべん言わせるんだ!?ロッカー整頓しろっつっただろうが!?あからさまに鉄アレイで筋トレおっ始めるとかどういうつもりなんだよ!?オレとフクちゃんを舐めてんのかァ!?あァ!?」

「えっ ロッカーの整頓をしているだけですけど・・・」

「どこが整頓なんだロッカー見せてみ・・・おおう」

「鉄アレイだらけだな・・・」

『いくつ入ってるの?これ。ロッカー壊さないでよ?』

「えー、二十個位かと。数が増えすぎて散らかっていたので、一度ロッカーから出して重さ順に並べ直していたんです」

「分かった、そのまま続けろ。あとそれ終わったらローラー磨け」

「はい!」

『返事はいいんだけどね』

「そうだな」

「拭き掃除終わりましたー。荒北さん、オレ忘れ物思い出したんで、家まで取りに行ってもいいですか?」

「ダメだ、なんでオメーはそうやってすぐ見え見えの嘘つくんだ!?」

「へへへ、バレました?」

「ったりめーだァ!オメーは箒で床を掃け!よく見ろォ、結構埃溜まってんだろォ」

「はーい。じゃあ箒取って来ます」

「チッ、めんどくせェ・・・でもフクちゃんの頼みだかるなァ。こいつらにもちゃんとやらせねーと」

『私ももうやりたくない。いつも皆が汚してるから私が片付けてるんだよ。大変さを思い知ったか』

「はいはい、アンガトネェ」

『棒読み』

「棚がそろそろ乾いている頃だ、オレは機材を戻すからお前は窓でも拭いててくれ」

「わーったよ」





/
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -