観覧車に入ろうと言い出した荒北の為に観覧車に並んでいたけど、荒北はいきなり名前Aを連れて二人で観覧車に乗ってしまって。取り残された私と東堂は仕方なく二人で観覧車に乗った。


「行ってらっしゃーい!!」


お姉さんに見送られて、観覧車の扉が閉まった途端に静かになった。物凄く気まずいんですけど。


「あー・・・えっと、二人でいっちゃったね」

「・・・あ、ああ!全く、勝手な奴だな!」


東堂は何やら考え込んでいる様子で、いつもみたいにうるさくなくて調子が狂う。どうしよう、何か話さなきゃ。ふと、名前A達が視界に入って固まってしまった。


チュ、チューしてるゥゥゥゥ!?!?


「ええええっ!?」

「!?ど、どうかしたのか?」

「え?!ううん!!なんでもないよ!?」

「そ、そうか」


ちょっと待ってくださいよ。カップル成立したんですかあちらの方々。いやぁ、やっと付き合ったのね!めでたいなあ本当に・・・って、ますます気まずいじゃねーか!!!今じゃなくてもいいじゃん!!!この、東堂と密室で二人きりの時にみせつけないでくださいよ!?!?早く降りたいよ頼むよ早く出してくださいよ。お腹とか鳴っちゃったらどうしよう。


「・・・」

「(告白・・・どうすればいいのだ)」


そのあとは少し話しては黙ったりして、地上につくのを待った。


「おかえりなさーい!!!」


お姉さんが扉を開けて、私と東堂が出たらそこには手をつないでいる荒北と名前A。オイオイお前ら・・・やめてくれよ・・・いや、友達としてここは言ってあげよう、おめでとうって!!!


「ふ、二人とももしかして・・・!?」

「付き合ったのか!?」

「まーなァ」


・・・照れてる名前A可愛い・・・じゃなくて!!!んだよ荒北すましてんじゃねーよ!!!


「おめでとー!!!」

「ちょっと、名前A、うるさいっ」

「オメーも頑張れヨ、東堂ォ」

「む、・・・分かってる」


荒北の帰るか、の一言で解散することになった。荒北と名前Aは手をつないで前を歩いている。


「んじゃァ、オレこっちだからァ」


荒北と名前Aは逆方向のため、私と別れた。東堂だって、そっちの方向なのに、前みたいに送っていくと言って聞かない。結局、送ってもらうことになった。


「・・・良かったね、あの二人くっついて」

「いつ付き合うか気にしてはいたのだが、まさか今日付き合うとは驚いたよ」

「そうだね、私も」


話題は荒北と名前Aのこと。私が名前Aを大切に思っているように、東堂も荒北が大切なんだろうな。今だって、嬉しそうに話している。


「ここでいいよ、東堂」

「そうか」


アパートの前で止まって、明日もまた幼稚園があるので別れようとした時に、東堂が腕を掴んできた。


「ど、どうしたの?」

「・・・話したいことがあるのだが」

「話したい、こと?」

「そこに寄らないか?」


東堂が指差したのは近くの公園。話したいことってなんだろう?私は一旦家に帰るのをやめて、東堂と公園に向かった。


「どうしたの?東堂」

「・・・いきなりで、悪いとは思っている。本当は荒北と同じ日になんて言いたくはないのだが・・・苗字@、オレは苗字@が好きだ」

「・・・へ!?」

「付き合って欲しい」

「・・・え、え!?」


てっきり何かの相談だと思っていた私は、テンパりすぎて驚くことしかできない。


「・・・最初は、良いやつだと思っていたんだ。だが、時が経つにつれて惹かれていってな・・・オレは告白したことが無いから良い告白の仕方はできなかったが・・・返事を聞きたい」

「え、・・・あ、はいっ」

「・・・それは、付き合ってもいいということか?」

「う、うん」


本当か!?なんて乗り出して聞いてきた東堂に、私の気持ちを伝えれば物凄く嬉しそうにしていた。いつもよりうるさい東堂。でも、私もそうやって喜びたいくらいにうれしい。


「これで晴れて恋人になったな!!」


嬉しそうに笑う東堂に私も自然に笑顔になった。ばいばいするのは少し寂しかったけど、明日もまた幼稚園に行かなきゃいけないので別れた。

次の日の幼稚園では、何もいってないのに金城先生におめでとうと言われて、何も知らないはずの新開くんにヒュウ!って言われて、福富くんには大好きなはずのリンゴを一口もらって、泉田君はあんでーとふりゃんくがおめでとうといっていますなんて言われて、鳴子くんと今泉くんには思いっきりおめでとうと言われて、真波君と小野田くんには折り紙をもらった。なんで園児たち察してるの!?と東堂に聞いたら、「オレが自慢したからな!ワッハッハッ!」なんて言っていて憎たらしかった。

これからは恋人同士で、今まで通り同じ職場で働くんだ。


「名前A、それとってくんねェ?」

「ん。靖友、何時頃帰れそう?」

「これ終わったら帰れんヨ」

「(いつの間にか名前呼び)」

「・・・名前@」

「(いいなあ)」

「名前@」

「うぇえ!?な、なに!?」

「いや・・・呼んでほしそうだったからな」

「・・・な」

「名前@はオレの事を名前で呼んではくれないのかね?」

「・・・名前なんだっけ?」

「な!?!?」

「あはは!うそうそ、・・・尽八」


この先もこの四人で出来る限り
楽しくここで働けたらいいな。



end

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