「きんよーびやぁあ!!!」
やったー!と叫びながら外を走る鳴子君の顔はとても嬉しそうだ。
「せんせいしっとる!?きんよーびのちゅぎはどよーびゆーねん!」
「う、うん」
「それでな!どよーびのちゅぎはにちよーびや!」
「日曜日が楽しみなの?」
「にちよーびはな!とーちゃんがやすみで、あそんでもらえんねん!」
ああ、成る程そういうことか。あと二日で日曜日、あと二日でお父さんと遊べるのが嬉しいのね、鳴子君は。
「なにして遊んでもらうの?」
「ろけっと!!!」
ロケット?
「びゅーんてな!めっちゃはやいねん!」
「鳴子君がロケットになるの?」
「せや!」
お父さんと遊べるからとはしゃいでいる鳴子君はなんだか可愛い。おやすみ嫌だって泣く子もいればお母さんと離れたくないって泣く子もいるけど、こういうタイプと会うのは始めてかな。
「せんせいはなんもせんの?」
「日曜日?特に・・・」
「あかんやろ!わいがあそんだろか!?」
「せ、先生もお友達と遊ぶかも」
「ならええな!カッカッカッ」
日曜日は何もないけど・・・っていうか土曜日もないけど。今日は名前@と荒北と東堂と飲みに行く。プライベートと言うべきか分からないけど、園の外で彼らに会ったことはないし、寧ろ帰る時間も違うらしく私服すら見たことがない。
「苗字A、日曜何も予定ねーのォ?」
「荒北・・・土曜日も日曜日もいつも予定作ったりしないよ。名前@に誘われたら出かけるけど」
「ふーん・・・じゃあ俺に誘われたら?」
「・・・え?」
「・・・なンでもねーヨ」
忘れろ、と言って荒北は他の園児のところへ行ってしまった。
いちいちドキドキさせないでほしい。
荒北 side
ったく、何言っちゃってンだ俺ァ。あれじゃ気になってるの丸出しじゃねーか。
「積極的ではないか荒北」
「ッセ!!つーかいちいち冷やかしに来たのかオメーは」
「当たり前だろう、こんな荒北みるのは久しぶりだからな」
東堂がニヤニヤしながら俺を見る。ウゼェ、特に顔が。
「つーかよォ、オメーはどうなんだヨ?」
「む?何がだ」
「苗字@チャン、気になってンじゃねーのォ?」
俺がそう言うと、東堂は焦り出す。なぜ分かった!?なんて言ってるけどオメーは顔に出やすいンだヨ。
「とうどうせんせい、名前@せんせいがどうかしたの?」
「ま、巻ちゃん!?」
「あのなァ、巻ちゃん」
「あああああ!!巻ちゃん!!蜘蛛がいるぞ!!」
「!!どこ!?」
東堂は巻ちゃんと一緒に木がある方へ行ってしまった。誤魔化すの下手すぎるだろ、アイツ。
「あらきたせんせい」
「どうしたのフクチャン」
「あらきたせんせいは、名前Aせんせいがすきなのか?」
「・・・フクチャン、それ内緒ねェ」
to be continude
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