「こいばなしよーよ せんせい」


園児の発言で私は固まってしまった。一緒におままごとをしていた他の二人も少しだけ固まってしまっていた。コイバナってそれどこで覚えた。


「・・・え?」

「りえね、すきなひとできたの!」

「だれだれー!?」

「きいてないよりえちゃん!」


全く、最近の若い女の子は子供っぽさがあまりない。りえちゃんは、美桜ちゃんとカナちゃんに質問責めされている。


「せんせいも、ないしょだよ」

「分かったよ」

「りえのすきなひとはねー・・・まなみくんっ!」


うわあ、真波くんモテるねやっぱり。


「じゃあ、カナのすきなひともせんせいにおしえるね!」

「カナちゃんも好きな人いるの?」

「ないしょだよー?・・・はやとくん」


まさかの新開くん。

いや、新開くんの顔は確かに整っている。けど、女子に興味が全く無いってかんじだ。


「みおはとうどうせんせいだよ」

「んー、それは知ってるかなぁ」


とうどうせんせいはあげないからね!なんて言って美桜ちゃんは遠くにいる東堂の所へ走って行ってしまった。


「名前Aせんせいは?」

「りえわかるよ!名前Aせんせいのすきなひとって、あらきたせんせいでしょ!」

「・・・えっ」


ちょ、待ってりえちゃん。なにそれ、しかも、大声で。
周りを見渡したら、皆が此方を見ていた。これじゃあまるで私が荒北が好きだって・・・確かにこの間キュンてしたけど。まだ確実に恋と決まったわけではない。


「あ、あはは、荒北先生はお友達だよ」

「なーんだ」

「じゃあ東堂せんせ」

「確実にありえない」






「名前Aちゃん名前Aちゃん」

「・・・なに」


園児達が帰って、自分も帰り支度をしている最中にニヤニヤしながら私のところにやってきた名前@。言われることは想像できる。きっとりえちゃんの発言のことだろう。


「名前A、荒北のこと好きなの?」

「なんでそうなる?」

「子供は正直なんだよー」


名前Aの言葉に、あのあとのりえちゃんの話を思い出した。




「でもりえ、ぜったいに名前Aせんせいはあらきたせんせいのことすきだとおもってたのになぁ」

「どうして?」

「だって名前Aせんせいこのあいだのえんそくのときに、あらきたせんせいに おはなのかんむりのせてもらってうれしそうだったもん」




確かに、あの時は嬉しくないわけではなかったしキュンとしてしまったけど。それだけで好きにはならないでしょう。


「思い当たる節でもあるの?」

「んー・・・飲みに食べいこうか」

「おっ、いいね」






「ーーってなわけで、別にまだ好きとかじゃない」

「ふーん。まだ、ね?」

「殴るよ」


茶化しまくりの名前@を睨めば、ごめんごめんなんてあまり反省していないであろう謝罪の言葉。


「でもドキドキしちゃったわけでしょ?」

「まぁそれは・・・」

「これから意識しちゃって好きになっていくかもね」

「どうだろう」


名前@に言われると、なんだかそんな気がしてしまうけど。恋愛なんてずっとしていないから分からない。


「荒北のいいところってなに」

「優しくて気が利いて人の事良く見て・・・ってなに言わせるの」

「よくそんなスラスラと出てくるね。・・・名前A、そんな維持張って恋じゃないなんて言わなくていいんじゃない?素直になりなよ」

「・・・名前@に言われると、なんだか本当に恋してる気がしてきた」


これから私は、荒北のことを好きになるのだろうか。自分の前にあるレモンサワーを一気飲みした。


「今日は飲むから」

「名前Aが珍しいね!私も飲む」



to be continude


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