東堂尽八・・・顔は最高にいいけどカチューシャがダサい。
荒北靖友は無し。怖いしブs・・・タイプじゃないし。
巻島裕介は美人だけど男としては見れないかなぁ。
御堂筋翔は・・・あー・・・うん。
「部屋、どこにするか決めない?」
「そうだね。荷物早く片付けたいし」
取り敢えず細かい話はあとにして、部屋の場所を決めることになった。と言っても部屋はどれも同じ広さ。どこを選んでも一緒だ。
「あたしここにしよ!!」
あたしが選んだのは階段を上がってすぐ隣。バイトで遅くなっても、階段と近ければそんなに周りに音が響かないはず。
「東堂の隣じゃねェならオレはどこでもいいッショ」
「巻ちゃん!?」
巻島裕介は巻ちゃんなのね、あたしもそう呼ぼ。
「ボクゥも東堂くんの隣はいややわ」
「御堂筋くんまで!?」
「はァ!?オレが東堂の隣かヨ!?」
「嫌そうだな荒北」
「嫌に決まってンだろォ」
男組はもう場所が決まったらしく部屋に入っていった。
「ヒB、皆の間がいい」
「わたしは日当たりいいところがいい」
「私どこでもいいから先に選んでいいよ」
女組もすぐに決まってそれぞれが部屋に入った。
部屋の並びは廊下を挟んで左右男女に別れていて、階段の横から東堂とあたし、荒北とヒ@、巻ちゃんとヒB、御堂筋とヒCになった。
「みんな歳一緒なの?」
実家から送った家具や色んな物が次々に届いて、それぞれ片付けが終わる頃には夕方になってた。リビングに集まって飲み物を飲みながら話をする。
「オレと荒北と巻ちゃんは22で、御堂筋くんは21だ」
「あ、一緒だね。じゃあ御堂筋くんはヒBとタメなんだ」
「つーかよォ、飯どーすんだヨ」
荒北の一言で、忘れていた食欲が一気に溢れ出た。そういえば、ずっと食べてない。
「そうだな・・・これから料理は当番制にするのはどうだ?今日は仕方ない、オレが作ろう」
「え」
「む、どうしたのだ?」
料理は当番制、と言う言葉にいち早く反応したヒB。そういえば、ヒBは料理が苦手って言ってたな。
「あ、あっと、あの」
「?」
「・・・料理が苦手な場合はどうすればいいの?」
すかさずヒBのフォローに入ったヒ@。さすがフォローの天才。
「あー・・・オレも料理は出来ればやりたくねェ」
「巻ちゃんは何でも追いバルサミコ酢だからな」
なに、追いバルサミコ酢って。
「オレだって料理できねーヨ。苦手なら二人でやれば良いんじゃねぇのォ?」
「まぁそれもそうだな。・・・巻ちゃん、達木さんとペアを組んで料理当番をしてくれないか?」
「別にイイけどよ・・・」
「よ、よろしくお願いしますっ!!」
・・・東堂、さっきのでヒBが料理苦手って察したんだ。まぁ、周り良く見てそうだもんね。
「みんな仕事とかバイトとかあるから、順番はその日に決めよう」
「オレは買い物に行ってくるよ」
東堂が家から出て行って、その場が静まり返った。なんだろう、みんな割と根暗なのね。クールっていうかなんていうか。
「ヒA、今日は仕事ないの?」
「今日はバイト。コンビニ」
「・・・そっか」
「お前等仕事なにやってんのォ?」
「フリーター」
「ふーん・・・他は?」
「私は医療事務で、この子は学生でこの子もフリーター」
「仲良さげだけどオメーらも知り合い同士?」
「高校の同級生だよ」
そう言うと、は?って顔してる荒北。まあ、それぞれ性格も系統も違うからね。
「どういう繋がり?」
「んー・・・それは内緒かな」
ホモが好きだったなんて言えないでしょ。言ってもいいけど腐女子はあんまり曝け出すものじゃあないからね。
「そっちは?」
「高校の時の部活が同じ。オレと東堂は高校同じだけど、巻島と御堂筋はライバルだヨ」
「なんの部活デスカ?」
いきなり黙りしていたヒCが会話に入ってきて荒北が吃驚した顔してる。カタコトになってるよヒCチャン。さっきからヒBも敬語になってるし。
「自転車競技部」
「ママチャリで速さ比べんの?」
「ちげーヨ!!ンなモンで速く走れっかよ」
「ロードバイクッショ」
最初から気になってたけど巻ちゃんのショって口癖なの?ていうかロードバイクってなに?
「凄い高い自転車でしょ」
「あァそーだヨ。今頃東堂がロード乗って買い物行ってんだろォ」
「皆外に置いてあるんだ?」
「み、見てもいいっ?」
意外にくいついたヒB。あたし達は外へロードバイクを見に行った。
to be continude
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