今日はあきらさんと仲直り出来るチャンス。先週は急用が出来て料理当番代わってもらっちゃったけど、今週はあきらさんと料理当番!これを逃したらきっともう、仲直りできないよね・・・。ていうか、喧嘩したわけじゃないから、仲直りって言わないのかな?
「夕飯何にしよう・・・」
外は雨だし、極力買い物に行きたくない。冷蔵庫にあるもので作っちゃお。あきらさん料理できないらしいから、野菜炒めにしよう。
「うぅ・・・どうやって呼ぼう・・・」
部屋の前まで来たものの、あきらさんを呼ぶのに抵抗がある。というか、やりたくないって断られたらどうしよう。
ガチャッ
「あ」
「・・・何してん」
突然ドアが開いて、あきらさんと目が合った。ど、どうしよう。
「えっと・・・あの」
「・・・ボクの当番ペア、キミィだったんやね」
「う、うん。あの、買い物は平気だからっ」
「・・・」
どうしよう。どうやって謝ろう。
「あ、あきらさん!!!あの、この間は・・・」
「ボク、別に怒っとらんよ」
「えっ」
「キミィ、気にしてたみたいやけど、別になんとも思ってへんよ。気にしすぎてキモかったわァ」
行こか、なんて言ってあきらさんは先に下に行ってしまった。・・・これって、仲直りしたってことでいいのかな?いいんだよね!!良かった。
「あきらさんこれ切れる?」
「切れるに決まっとるやないの」
ザクッ ザクッ
うわあ・・・不器用。にんじんがガタガタだよ。
ザクッ
「あ!」
「・・・」
あきらさんの指が切れた。どうしよう!!あああ血が!!
「・・・何してん」
「!?!?ご、ごめん!」
思わず指を舐めてしまった。やらかした、普通に水で流せば良かったのに!舐めてしまった!!!
「ばっ、絆創膏持ってくる!!!」
視線が痛いし、恥ずかしいから急いでその場から逃げた。確か、ここら辺にヒ@が用意してくれた救急箱が・・・あった。
「あ、あきらさん、手出して?」
素直に手を出したあきらさんのゆびに絆創膏を付ける。
「ボク、頼んでへんから礼は言わんよ」
「う、うん」
あきらさんは本当に素直じゃないんだなと改めて思った。
「今日はあきらさんも皆と一緒に食べてくれない?」
「・・・今日は作ったのボクやからね。安心して食べれるわ」
「じゃあみんなと一緒に食べてくれるの!?」
「・・・・・・」
そこは無視されたけど、結局あきらさんは一緒にご飯を食べてくれた。感想は・・・食べ方が凄かった。無言で食べてたけど、動物みたいな食べ方だった。みんなもビックリして暫くあきらさんを見つめていた。
ひとつだけ気になったのは、ふとした瞬間に少しだけ寂しそうな顔をするところかな。
お皿を洗っていたときに、ヒ@が帰ってきた。リビングにはわたしとヒBの二人。
「おかえりー!」
「ただいま」
「早かったね、ヒ@。会社の飲み会?」
「ううん・・・・・・彼氏」
思わず固まってしまった。ヒ@、いつの間に彼氏出来たの!?
「い、いつから付き合ってるの!?」
「先週から」
「おめでとー!!!早く言ってよー!」
「ごめんね、タイミング悪くて」
幸せそうなヒ@の顔を見て、わたしまで心があったまる。
けど、結果があんな風になってしまうなんて、ここにいる誰も予想していなかった。
to be continude
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