「・・・最悪」


昨日の夜、バイト帰りにそのまま男友達の家に泊まった。勿論、やることはやった。そこまではいい、けど・・・家に帰ってシャワーを浴びて鏡を見てみたら、首筋にキスマーク。つけるなってあれ程言ってあったのに、あり得ない。アイツとはもう会うことは無いな。


「おはようヒA。お願いだから早く服着て」

「おはよー」


ヒ@が洗面所に入ってきて、下着のみ着けているあたしを見て近くにあった服を掴んで渡してくる。イケメンか。


「ほら、もう東堂降りてくるよ」

「んー」


面倒だけど、東堂に見られたら説教とか面倒臭そうだから急いで服を着た。


「おはよう!!!」

「うわっ、耳キーンてした!」


東堂が洗面所に入ってきて、大きい声で挨拶をする。いちいちうるさいなこの男は。イケメンなのに台無し。カチューシャださいし。いつも朝から部屋でセットしてんのかこいつ!風呂上がりとか見たことないから今のところカチューシャしてない東堂は見たことが無い。


「今日はいつもより起きるの遅いね、東堂」

「今日休みだからな」

「東堂毎朝いないと思ったら朝早かったんだ」

「まあな!」


なんでいちいち自慢気なんだろう、このひと。


「む?渡辺さん、ここ、虫刺さ・・・!!」

「あー・・・あはは。おやすみ」

「おやすみ」

「あ、ああ。おやすみ」


少しだけ気まずいので、急いで洗面所から出て部屋に向かった。


「渡辺さんは付き合っている人がいるのか?」

「いないよ」

「は?・・・だって、あれ・・・」

「・・・察してよ東堂」






昼まで寝ていたあたしは夕方頃やっと部屋から出てリビングに向かった。


「今日は渡辺さんが当番だったな」

「東堂・・・うん、なに作ろう」

「オレは今日和食な気分だ!」

「和食かー・・・じゃあ和食にするね」


買い物に行かなきゃ。ここから五分って聞いたけど結構面倒くさいなぁ。


「暗くなってきたからな、買い物に付き合おう!」

「え?いいの?」

「構わんよ。女性を一人で暗い中歩かせるわけにもいかないからな」

「(荷物持ちにさせよ)」


着替えてから財布を持って東堂と一緒に外を出た。みんなして私の嫌いな肉出すから(唐揚げは食べられる)今日は魚にしよ。スーパーについてすぐに、魚のコーナー。鮭が無難かな?秋刀魚もいいなあ、季節的に。それより、東堂のせいで視線が痛い。黙ってれば良いんだけどね。


「オレは秋刀魚がいいと思うぞ」

「じゃあそーする」


メインは秋刀魚。味噌汁と炊き込みご飯とあと何か作ろ。買い物を終わらせて、荷物はあたしが何も言わなくても持ってくれた。


「渡辺さんは何の仕事をしているのだ?」

「んー・・・仕事って言ってもフリーターだからねー。アルバイトしたり他の仕事に呼ばれたり。ていうか渡辺さんって辞めない?苗字で呼ばれるの好きじゃない」

「む、そうか。ヒAちゃんでいいか?」

「そうして」


もうすぐで家につく、というところで誰かに腕を掴まれた。


「ヒAちゃんじゃん!!」

「・・・・・・えっと」

「オレだよオレ!ねぇ今日暇?暇なら今夜どう?久しぶりに相手してよ」

「(誰だっけ)気が向いたらね」

「よっしゃ!また連絡するから」


あたしの腕を掴んだ男はそれだけ言って進行方向へ進んで行ってしまった。


「・・・知り合いか?」

「まぁ・・・多分」

「・・・オレは、そういうの良くないと思うぞ」

「・・・」

「自分の身体は大切に・・・」

「別に・・・東堂には関係無くない?」


あたしの言葉に目を丸くする東堂。


「こんな事聞くのもなんだが、ソレとあの男は関係ないのか?」

「・・・関係ないよ。でも東堂にも関係ない」


面倒くさい。こうやって説教されるのはヒ@ぶりかもしれない。急いで玄関の扉を開けて家の中に入った。


「オレはヒAちゃんの為に言って・・・」

「放っておいてくれない!?あたしの勝手でしょ」


東堂とあたしが大声を出しているからか、リビングにいたヒ@達と、部屋にいた荒北達が出てきた。


「オイ何してンの」

「ヒA、落ち着きなよ」

「・・・ご飯作る」


東堂の持っていた荷物を奪い取って、キッチンに向かった。東堂がまたこっちに向かってこようとしたけど、荒北とヒ@に止められていた。



to be continude


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