王者箱学

王者箱学





「それでは只今より、F組決勝インターハイメンバー六人目、最後の一枠をかけた決勝戦を行います」

「F組はクライマー組。難所と言われる旧一号線をどれだけのペースで登って来るかがポイントだ」

「うん、そうだな」

「お前に誘われて入部したんだっけなァ?黒田は」

「はい、中学時代はスポーツ万能でした。黒田くんは相当登りには強いです」

「確かにな。他の学校なら即エースクラスだ」

「一方、真波は未知数というところか」

「どっちがインターハイ出場メンバーになるんだろうね」


インターハイメンバーとマネージャーの私は、黒田と真波の勝負を見届けるためにバスに乗った。






「真波も黒田もペースを保っている」

「ま、イキナリ無理はしないでしょォ」

「黒田くん、この日にかけてましたから。コンディション完璧ですよ」

「クライマーっつったら、俺と被っちまうなぁ・・・」

「・・・は?」

「・・・被ってないだろ、ビジュアルが」


パワーバーを食べながら言う新開に迫る東堂。二人の間にいる私は軽く東堂に潰された。


「被ってんよ!特に真波は!あいつアレだなぁ、今でも俺と女子ファン取り合いになってるからなぁ」

「・・・」

「「「「・・・なってねーよ」」」」

「全員でツッこむなよ!!しかも一拍置いたらマジっぽいじゃねーか!!」

「「「「「・・・」」」」」

「おい待て!?マジじゃねーだろうな!?コラ泉田!お前どう思う!?」

「はい?」

「なんで聞こえませんでしたっつー面なんだー!!!!」

「東堂うるさい隣でうるさい静かにしてよブス」

「ブッ!?!?!?!?」


私のブス発言に東堂は項垂れて静かになったので、皆に親指を立てられた。


「おお、黒田が引き離しにかかったぞ」

「下りで差をつけるつもりか」

「動かないぞ真波ィ!!登りで勝負かける気だな真波ィ!!」

「うるさい!!押されるんだけど!?新開と場所代わってもらうよ!?」

「それはならん!!!」






「ペースを上げた!」

「あのスピードで走るのか!?」


登りに入ったとこで真波がペースを上げて黒田に追いつく。


「黒田君がラインを塞いだ!」

「堪らず真波下がったぞ」


二人のペースは上がって行く。


「黒田が動いた!!」

「真波が何か言ったのか!?」

「真波も動くぞ!」

「抜く気か!?どうやって!?」


黒田がスピードを上げて真波を引き離すが、真波も黒田について離れない。そして・・・ーーー


「「「「「「!?」」」」」」


追い風が吹いた瞬間、真波は黒田を一気に追い越し引き離した。


「追い風のタイミングに合わせてギアを上げ加速をかけた・・・」

「気付かず遅れた黒田は置いてけぼりか」


勝者は、真波山岳。インターハイの六人目に決定した。





練習後、私達はファミレスに来ていた。


「いやしかし、本当に真波がレギュラーになるとはなぁ」

「別にー。俺ベプシと唐揚げ」

「はい」

「キャラ被りの件に関しては早急になんとかせねばならんな」

「俺はチョコバナナとミックスグリルで」

「私はイチゴパフェと和風ハンバーグ」

「ってか!お前ら!もっと栄養バランスを考えろ!油分と糖分が多すぎるではないか!燐!太るぞ!」

「え?なに?私がデブっていいたいの?」

「ろ、ロードレーサーたるもの、日々の食事から気を使わねばいざと言うとき・・・」

「俺は・・・熱々アップルパイ、バニラアイスのせだ!!」

「話を聞けーーー!!!」



to be continude

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